定額制動画配信サービス満足度、Netflixが4年連続の首位 「オリジナル作品」への注目度が年々上昇

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 近年、大きく拡大している動画配信市場。デジタルコンテンツ協会が4月に発刊した『動画配信市場調査レポート2020』によると、2019年の推定市場規模は前年比126%の2770億円。その市場を大きくけん引しているのが「定額制動画配信」だ。普及拡大とともに各サービスの競争が激化するなか、顧客満足度調査を行うoricon MEは、今年で4回目となる定額制動画配信の満足度ランキングを発表。2020年の満足度総合1位には、今年日本でのローンチ5周年を迎えた【Netflix】(73.94点)が選ばれ、4年連続での首位獲得となった。

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 同調査は、「現在サービスを利用しており、2ヶ月以上継続登録している」「自身のアカウントで利用していて、かつ料金を把握している」という、2つの条件を満たす人(18〜84歳の7687人)を対象に、利用するサービスについて回答を得たもの。サービスの定義については、(1)料金体系としてサブスクリプション方式を採用している、(2)ユーザー投稿コンテンツを含んでいない、(3)ストリーミング動画コンテンツを含んでいる、(4)アダルトのみ、ギャンブルのみ、もしくはその両方のコンテンツのみを扱うサービスでない、という条件をすべて満たすものとし、今回は該当する25社について調査を行った。

 ランキングを構成する評価項目は、「手続きのしやすさ」「会員向けサービス」「サイト/アプリの使いやすさ」「動画の見やすさ」「コンテンツの充実さ」「コストパフォーマンス」の6つで、これらは全16の設問から形成。なお、ランキングは「満足度総合」「評価項目別」のほか、3つの部門別(「男女別」「年代別」「ジャンル別」)の結果も発表している。

2020年 定額制動画配信 満足度総合ランキング

順位

サービス名/(得点)

1位

Netflix (73.94点)

2位

Amazonプライム・ビデオ (72.42点)

3位

Hulu (71.54点)

4位

U-NEXT (70.53点)

5位

dTV (69.83点)

6位

TELASA (69.69点)

7位

TSUTAYA TV (68.32点)

満足度総合1位のNetflix、昨年に続き豊富なオリジナルコンテンツで魅了

  • Netflixは日本での有料会員数が500万人を突破

    Netflixは日本での有料会員数が500万人を突破

 今年9月に、日本での有料会員数が500万人を突破(昨年比約200万人増)した【Netflix】。評価項目別ランキングでは、「動画の見やすさ」(77.18点)、「手続きのしやすさ」(75.85点)、「コストパフォーマンス」(75.18点)、「サイト/アプリの使いやすさ」(72.90点)、「コンテンツの充実さ」(72.66点)と、全6項目のうち5項目で首位となり、高いシェアとともにサービスの良質さを改めて証明する結果となっている。

 また、注目したいのが部門別の「ジャンル別」ランキング。市場での競争が激化し、他サービスとの差別化を図るうえで「コンテンツの質」がより重要度を増すなか、Netflixは全12部門中、「洋画」(72.38点)、「海外ドラマ」(74.91点)、「バラエティ」(72.95点)、「ドキュメンタリー」(72.25点)、「音楽」(72.34点)、「オリジナルコンテンツ」(77.45点)の6部門で1位を獲得した。とくに高いポイントを得たのは、「オリジナルコンテンツ」。昨年は、山田孝之主演の『全裸監督』が日本だけでなく海外でも大きな話題を呼んだが、今年も嵐の活動休止までの日々を描き出すドキュメンタリー『ARASHI's Diary -Voyage-』や、韓国ドラマの『愛の不時着』、『梨泰院クラス』など、多数のNetflixオリジナルシリーズ作品が世間の注目を集めた。

>「ジャンル別」ランキング TOP3はこちら

 「オリジナルコンテンツ」に対してユーザーがどのような認識を持っているのか、同社が行った意識調査によると「入会の決め手にもなる1つのコンテンツ」、「その作品のためにお金を払ってもいいくらいのコンテンツ」、「話題にしたいコンテンツ」、「期待しているコンテンツ」と回答する人は年々増加傾向に(下グラフ)。とくに「入会の決め手にもなる〜」(18年:23.3%→19年:24.5%→20年29.1%)と「期待している〜」(18年:22.7%→19年:25.7%→20年:29.8%)は、ともに3割に迫り、オリジナルコンテンツへの注目度の高さがうかがえる。

 Netflix利用者からは、「独自の映像コンテンツが素晴らしく、興味深いものが多く満足しています」(10代・男性)、「オリジナルコンテンツの質が非常に高い」(40代・男性)というように、独自コンテンツについて言及するコメントが散見され、立て続けにオリジナルのヒット作を生み出していることが高い満足度の実現に結び付いている様子を感じさせた。