コロナ禍に需要拡大、満足度の高い「食材宅配サービス」「ネットスーパー」とは

食材宅配サービスを利用する人

 少子高齢化や共働き世帯の増加など、社会の変化に伴い堅調な成長を遂げてきた食品通販市場。そして、新型コロナウイルス感染症の流行という未曾有の事態が起こっている今、食料品を自宅まで届けてくれるそのサービスの需要は、さらなる高まりを見せている。そうしたなか、顧客満足度調査を行うoricon MEは、昨年に続き「食材宅配サービス」「ネットスーパー」の満足度ランキングを発表した。どんなサービスが消費者から支持されているのか、早速見ていこう。

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 まずは、「食材宅配サービス」の満足度ランキングから。本調査では食材宅配サービスの定義を、カタログやインターネットで注文した食材を定期的に自宅に配達する食材宅配サービス(食材の宅配は取り扱わず、半調理品、完成品だけを取り扱っているサービスは対象外)と設定。回答者は、過去2年以内に月1回以上の食材宅配サービス(定期配送サービス)を2ヶ月以上継続利用し、食材を購入したことがある20〜84歳の利用者とした。

 満足度総合ランキングは、「首都圏」(調査人数:4604人)、「東海」(調査人数:1400人)、「近畿」(調査人数:3072人)と、エリア別に発表。ランキングを構成する評価項目は10項目あり(「入会のしやすさ」「キャンペーンの充実さ」「商品の充実さ」「食材の品質」「商品情報のわかりやすさ」「利用のしやすさ」「配送サービス」「コストパフォーマンス」「情報提供」「サポートサービス」)、これらは全23の設問から成り立っている。なお、ランキングは「満足度総合」「評価項目別」のほか、部門別(「年代別」「家族構成別」「商品別」)の結果も発表している。

食材宅配サービス 満足度総合ランキング TOP3

食材宅配サービス 首都圏

順位

企業・サービス名/(得点)

1位

生活クラブ (78.2点)

2位

大地を守る会 (78.0点)

3位

パルシステム (76.2点)

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食材宅配サービス 東海

順位

企業・サービス名/(得点)

1位

らでぃっしゅぼーや (76.3点)

2位

Oisix (75.6点)

3位

パルシステム (75.3点)

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食材宅配サービス 近畿

順位

企業・サービス名/(得点)

1位

生活クラブ (77.8点)

2位

関西よつ葉連絡会 (77.1点)

3位

コープこうべ (76.8点)

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食材宅配サービス、首都圏と近畿は「生活クラブ」、東海エリアは「らでぃっしゅぼーや」が首位

 さて、2021年の食材宅配サービスランキングでは、「首都圏」「近畿」の2ランキングで【生活クラブ】(首都圏:78.2点/近畿:77.8点)、「東海」で【らでぃっしゅぼーや】(76.3点)がそれぞれ満足度総合1位を獲得した。なお、【生活クラブ】の総合首位は、「首都圏」で2年連続5度目、「近畿」は4度目となった。

 設立52年の生活クラブ事業連合生活協同組合連合会が運営する【生活クラブ】は、組合員の「出資」「利用」「運営」によって成り立つ生協の1つ。自分たちの生活に必要なものを考え、開発にかかわりながら、生産者と共に納得のいくものをつくり、利用していくスタイルのため、扱う消費財はほとんどがオリジナル。また、産地や生産者、製造法など、食材が届くまでのすべての情報公開を徹底しているように、食の安全性にも強いこだわりを持っている。

 評価項目別において、「首都圏」では、「商品の充実さ」「食材の品質」「商品情報のわかりやすさ」「配送サービス」「コストパフォーマンス」の5項目で首位。「近畿」では、「食材の品質」「商品情報のわかりやすさ」の2項目で首位を獲得。なかでも、「食材の品質」(首都圏:83.0点/近畿:83.8点)と「商品情報のわかりやすさ」(首都圏:82.2点/近畿:82.3点)に関しては両エリアともに80点台と、高い得点をマークしている。

 食材宅配サービス 東海ランキングで満足度総合1位となった【らでぃっしゅぼーや】は、オイシックス・ラ・大地が運営するサービス。独自の環境保全型生産基準「RADIX」を設け、農畜水産品から加工品まで、質が高く安全性に配慮した食品・食材を契約者の元に届けている。

 評価項目別では、「食材の品質」「商品情報のわかりやすさ」「利用のしやすさ」「配送サービス」「コストパフォーマンス」「情報提供」「サポートサービス」の7項目で1位を獲得。回答者からは、「作物の育ちが良いときは大きく立派な野菜が届き、1週間後に食べてもおいしくいただけるほど良いものが届きます。ニンジンやピーマンは子どもが喜んで生で食べるほどです」(30代・女性)、「配達員さんが親しみやすい。それだけに、会社の教育も徹底されているのかなと感じる」(30代・女性)との好意的な声が寄せられている。

忙しい現代人のニーズに応え、近年人気の「ミールキット」

 なお、「首都圏」の満足度総合2位は【大地を守る会】(78.0点)、3位は【パルシステム】(76.2点)。「東海」の満足度総合2位は【Oisix】(75.6点)、3位は【パルシステム】(75.3点)。「近畿」の満足度総合2位は【関西よつ葉連絡会】(77.1点)、3位には【コープこうべ】(76.8点)がそれぞれランクイン。

 近年は、忙しい現代人のニーズに応えた「ミールキット」(レシピとその調理に必要な食材がセットになった料理キット)が評判を呼んでいるが、商品別のミールキットランキングでは、「首都圏」で【生活クラブ】(79.2点)、「東海」で【おうちCO-OP】(76.3点)、「近畿」で【らでぃっしゅぼーや】(80.7点)が首位を獲得している。

ネットスーパー

 続いては、「ネットスーパー」の満足度ランキング。こちらは定義を、生鮮食品を取り扱うECサイト(買い物代行サービス、さまざまな店が出店するモール型のサイトは対象外)と設定し、該当する15社を対象に調査したもの。回答者は、過去2年以内に対象のネットスーパーを利用したことがあり、生鮮食品を購入したことがある(特別な時(パーティーやギフト)のみ、お試しサービスのみ、買い物代行サービス経由の利用者は対象外)20〜84歳の利用者4402人。

 満足度総合ランキングを構成する「評価項目」は10項目あり(「登録のしやすさ」「サイトの使いやすさ」「商品の充実さ」「商品情報のわかりやすさ」「食材の鮮度」「ポイント・割引の充実さ」「配送サービス」「支払い方法の充実さ」「情報提供」「サポートサービス」)、これらは全27の設問から成り立っている。なお、ランキングは「満足度総合」「評価項目別」のほか、部門別(「地域別」「男女別」「家族構成別」)の結果も発表している。

ネットスーパー 満足度総合ランキング TOP3

順位

企業・サービス名/(得点)

1位

セブンミール (74.4点)

2位

ライフネットスーパー (73.9点)

3位

イトーヨーカドーのネットスーパー (73.3点)

※ライフネットスーパーは、Amazon.co.jp上のライフのストアも含みます

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ネットスーパーは「セブンミール」が2年連続首位、満足度得点も上昇

 2021年のネットスーパーランキングでは、【セブンミール】(74.4点)が2年連続で満足度総合1位を獲得。満足度得点については、前年から3点近く上昇する結果となった。セブン&アイ・ホールディングスのグループ企業が提供するセブンミールは、セブン‐イレブンの人気商品はもちろん、店舗では取り扱いのない限定商品までをも提供するサービス。

 セブン‐イレブンの惣菜や弁当、スイーツといえば、バラエティ番組『ジョブチューン』(TBS系)の一流シェフ等による商品ジャッジ企画でも多くの商品が高評価を得るなど、そのおいしさには定評があるが、無料の会員登録を済ませば、それらの商品を24時間いつでも注文することができる。

 商品は、自宅や職場への「配送(税抜3000円以下の場合は配送料がかかる)」か「店舗での受け取り」かを選択することができ、生活スタイルに合わせて選べる受け取り方法も魅力の1つ。評価項目別ランキングでは、「サイトの使いやすさ」「商品の充実さ」「商品情報のわかりやすさ」「ポイント・割引の充実さ」「配送サービス」「情報提供」「サポートサービス」と、全10項目中7項目で1位を獲得した。

 続く満足度総合2位には、ライフコーポレーションが提供する【ライフネットスーパー】(73.9点/※ライフネットスーパーは、Amazon.co.jp上のライフのストアも含む)、3位にはイトーヨーカ堂が運営する【イトーヨーカドーのネットスーパー】(73.3点)がランクイン。ともに各スーパーマーケットで扱う食料品や日用品の購入が可能で、生鮮品に関しては売場のプロが目利きしてくれる点もうれしいポイント。

 このコロナ禍、ライフネットスーパーは、生鮮品や惣菜などがAmazonから購入できるサービスの対象エリア拡大や、ライフ店内のロッカーを通して商品が受け取れるサービス「店頭受取ボックス便」を開始。イトーヨーカドーのネットスーパーは、7月の大幅リニューアルで(首都圏を中心とした店舗で)配送料に変動制を導入するなど、サービスのアップデートを行い、利便性を高めている。

2020年に初めてネットスーパーを利用した人、きっかけは「コロナの影響」が7割

 なお、今回の回答者のうち、2020年に初めてネットスーパーを利用した人を対象に行った調査(単一回答)では、71.9%が「利用を開始した理由は、新型コロナウイルスの影響である」と答えた。

 その7割以上の人に「仮に新型コロナウイルスが終息した(落ち着いた)場合も、『ネットスーパー』を利用し続けたいと思うかどうか」と尋ねたところ、実に8割以上(とても利用し続けたい:20.2%/まあ利用し続けたい:62.7%)の人が利用意向を示した。「とても利用し続けたい」と答えた人を年代別に見ると、最も数値が高かったのは20・30代で28.6%。若い世代がよりネットスーパーの利便性を感じている様子が見て取れた。

 需要の拡大とともに、今後、ネットスーパーをはじめ食材宅配サービスがどのように進化していくのか注目だ。

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