活用事例:個別教育 ゴールフリー(成基コミュニティグループ)

売上増を実現した「活用事例」 コストの3倍の売上増を記録した「商標」と「データ」の活用法とは?

「商標」の活用法

「顧客満足度1位」の商標ロゴを、社員の名刺から広報物に至るまで、人目につくありとあらゆるものに徹底して活用し、「成基コミュニティグループ」の認知向上やブランディングに役立てた。また、今年2月には「ゴールフリー」のテレビCMを初めて放映し、4月の新規入会者数が前年対比113%、投資額のおよそ3倍の売上も記録し、大きな成果に繋げている。商標をメインに活用した成基総研マーケティング部の辰巳直之部長は、徹底活用の重要性を解く。

成基総研マーケティング部・辰巳直之部長
成基総研マーケティング部
辰巳直之部長

商標ロゴをグループ全体で徹底活用

昨年にゴールフリーが、近畿地区の「個別指導塾」で1位になったことを受けて、生徒や保護者にもきちんとその理由を説明しようということで、初めて冊子を作成し、配布を行いました。以降、定期的に冊子を作成しています。今回(2015年)2年連続で1位となりましたので、次号ではその報告とともに、これまでの取り組みを特集した内容を「ゴールフリー」の会員以外の弊社ブランドの保護者にも配布する予定です。

TVCMおよびオリコン商標ロゴの使用

冊子には、「顧客満足度1位」のロゴを大きく掲載していますが、そのほかにも、各教室の受付に商標ロゴを入れたスタンドを設置、新聞の折込チラシに掲載、社員の名刺から塾の封筒、紙袋に至るまで、とにかくグループ全体でありとあらゆるところに商標を使用しています。とことん活用して、当社の認知向上やブランディングに役立てています。

認知向上・イメージアップなどブランディングにも活用

「顧客満足度1位」を獲得したことで実現できたブランディングもあります。今年2月には、「顧客満足度1位」の商標ロゴを使用した「ゴールフリー」のテレビCMを制作して、集中的にスポットを打ちました。

TVCMおよびオリコン商標ロゴの効果

CMは、同社コミュニティグループのマスコットキャラクターが、「横綱」という夢の実現のために精進する内容で、大相撲の遠藤聖大関が出演して2人の子どもを受け止めるという、1対2の個別指導と相撲のけいこをオーバーラップさせたものです。個別指導を上手く表現した内容で、「個別指導No.1と言ったら『ゴールフリー』」と言うくらい、視聴者に潜在的に刷り込むことができたと思います。

今年4月の「ゴールフリー」への問い合わせ数が圧倒的に増え、入会者数も前年比で113%と過去にない結果を残せました。認知度だけではなく、好感度も上がり好結果が出ているのだと思います。今回のCM施策も「1位」の評価だからこそできたわけで、そういう意味では認知向上やイメージアップなど、ブランディングに非常に役立ったと実感しています。

「データ」の活用法

「成基コミュニティグループ」では、2000年から会員の保護者に向けて「CS(顧客満足度)調査票」を配布して調査を行い、顧客満足度アップのための取り組みを行ってきた。2014年からは、外部の「オリコン顧客満足度」も取り入れ、2つの調査結果を組み合わせることによって、全体的な水準を上げるためのプランニングを行うとともに、各教室が成功体験を共有し合えるような仕組みを構築した。同社の取締役経営企画室・室長の仲山徹氏は、実際のデータ活用の重要性を下記のように明かしている。

自社データとオリコンデータを組み合わせて改善点を分析

弊社では、「オリコン顧客満足度」とは別に、年1回、元々保護者や生徒に対して、「CS調査票」を配布して調査を行ってきました。6頁ほどある詳細なアンケートとなっており、すべて記名でご回答いただいています。ただ、お答えいただくだけでなく、親御さんにフィードバックすることもあり、回収率は約80%と高いものになっています。その調査票を元に、各項目、アンケートの回収率に至るまで、すべてポイント化して教室ごとの評価軸を作っています。もちろん単純集計だけでなく、各項目の相関関係も見て細かく分析しています。

調査の結果をもとに、各教室の改善点を見つけて、実行していくのですが、その改善に取り組んでいる途中期間に、オリコンの調査結果が発表されます。そこからさらに弊社のアンケートの設問とオリコンの評価項目を照らし合わせて、評価軸と改善点を分析していきます。当社としては、年に2回調査を行っているような形となり、それも外部のデータを盛り込んでいけるので、非常に良いサイクルになっています。今では、オリコンの調査結果を弊社の年間スケジュールの中に盛り込んで指標化し、運営に反映させています。

成基総研取締役経営企画室 室長・仲山徹氏
成基総研取締役経営企画室 室長・仲山徹氏

データを活かす組織作りと成功体験

データのフィードバックの仕方も重要です。例えば、24時間無料で子どもたちを教える教室があったとします。そういう教室のCS評価はすごく高いでしょうが、当然のことながら、経営としては成り立ちませんし、ましてや永続発展することなどできません。高いCS評価をいただきながら、同時に適切な利益を確保することができるようなバランス感覚が重要なので、それができている教室が何をどう行っているのか、結果だけではなくそのプロセスも含めて社内に広くシェアするという、成功体験の共有が大切になります。

とはいえ、成功体験をシェアし合うのは口で言うほど簡単ではありません。そこで、弊社では、年2回の会社総会時に、良いプロセスを実践して結果を出した教室をベンチマーク事例として、その取り組みを全社員の前で発表してもらっています。ほかの教室でも共有化して、再現できるよう、手の内を公開するわけです。“共有すること”を評価する仕組みがなければ、高品質標準化を実現していくことは難しいと思います。

オリコン1位を目指す「取り組み」

2年連続で「オリコン顧客満足度ランキング」の『高校受験 個別指導塾(近畿)』で総合1位を獲得した「個別教育 ゴールフリー」。その背景には、長年、同社が実施している『エデュバイトプロジェクト』の取り組みがある。大学生をバイトとして捉えるのではなく、主体的に考えて動く“人材”として育成するという同社の理念が、このプラグラムに息づいている。成基の常務取締役で個別教育ディビジョン長・滋賀地区本部長の大澤一通氏は、『エデュバイトプロジェクト』の価値と有機性を実感している。

2年連続でオリコン1位を獲得できた理由

弊社には「エデュバイトプロジェクト」という仕組みがあります。これは、学生コーチ(塾の講師)であるエデュバイト生(Edu-Beit)が教室運営に参画し、どうやって生徒の成績を上げていくかを自分たちで考えて、主体的に動くプロジェクトです。特徴的なのは、学生コーチに弊社が持つ調査データの情報開示をしっかり行うこと。通常の企業では、アルバイトに機密度の高い重要なデータを開示しないのが普通ですが、弊社では“人財”として育成するという理念があるので、オープンにします。それを元に複数のエデュバイトが1つのプロジェクトチームを組んで、弊社社員と協力し合いながら課題に取り組みます。例えば、テスト前に集中的に子どもたちが学習できるようなプログラムを、学生が主体的に考えて実践するのです。そうやって、目覚しい成果を挙げることができたプロジェクトは、年に一度行う『エデュバイトグランプリ』で表彰しています。

成基の常務取締役で個別教育ディビジョン長 滋賀地区本部長・大澤一通氏
成基の常務取締役で個別教育ディビジョン長 滋賀地区本部長・大澤一通氏

ゴールフリーが2年連続でオリコン1位を獲得できた大きな要素には、この「エデュバイトプロジェクト」が有機的に働いていることが大きく影響していると思います。自習室の使いやすさや教室の美しさなど、ハード面にお金をかければ、ある程度改善できるものもありますが、「成績向上」などはソフトの部分です。ここが塾の命綱であり、実際にサービスを提供する学生が頑張ってくれているから、生徒の成績アップにつながっているのだと思います。個別教育を行っている塾にとっては、教える側の学生の質をいかに向上していくかが1番の悩みです。また、学生をアルバイトで雇わないと成立しない職種は、世の中に多いと思いますので、学生が主体的に動けば結果を残せるという当塾の仕組みは、ヒントになるのではないかと自負しています。

「成績向上・結果」満足度ランキング 一方で、2年連続でオリコン1位をとりましたが、ポイント数に関しては連続アップとまではいきませんでした。その理由として、昨年1位をとった際に広報したことによって周囲の期待が高まり、これまでと同様のサービスを提供しても満足度が上がらなかったことや、ほかの塾も頑張られていることで満足度に対する意識が全体的に高まっているのではないか、といった理由が挙げられます。成績は劇的に上がらないと満足されない部分があると思いますし、ましてやオリコンで1位であれば、もっと上がるはずだという期待もあるでしょう。今後は、さらに教室ごとの満足度を急ピッチで高水準化していかなければ、3年連続はないと肝に銘じています。

ゴールフリーの主なランキング結果

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