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顧客満足度ガイド 〜いまさら聞けない“基本のき”を解説

 昨今、商品やサービスにおいて、頻繁に聞かれるようになった「顧客満足度」や「CS」という言葉。実際に「どういう意味なのか」、「どういう調査が行われいるいるか」など、いまいち分かっていないという人は少なくないはず。ここでは、「顧客満足(CS)」の“基本のき”についてご紹介します。

―目次―
1.「顧客満足」って何?
2.顧客満足はなぜ必要なの?
3.顧客の満足/不満足が生まれる仕組み
4.顧客満足度の向上について
 ■顧客満足の向上で収益性は高まる?
 ■顧客満足を向上させるには?
 ■顧客満足を実現する企業・組織とは?
5.オリコンの顧客満足度調査データはどういったもの?

1.「顧客満足」って何?

「顧客満足」とは、各企業が提供するサービスや商品によって、顧客に満足してもらうことを目的とした概念のこと。英語では「Customer Satisfaction(カスタマーサティスファクション)」といい、一般的には「CS」と呼ばれています。

「顧客がどれだけ満足したかどうか」は、本来漠然としており、個人の主観によるところですが、その満足の度合いをアンケートなどの調査によって数値化し、客観的に評価できる指標として可視化されたものを「顧客満足度」といいます。

 消費社会が高度化した現代においては、サービスや商品の品質、コストだけで差別化を図ることは難しくなってきています。 また、マスメディアを利用した広告宣伝だけで、購買につなげることも容易ではありません。そういった状況下で、消費者がどのサービスや商品を求めるのかを決める際に、新たな評価軸として注目されてきたのが顧客満足度と言えます。

2.顧客満足はなぜ必要なの?

“マネジメントの父”と称された経済学者のピーター・ファーディナンド・ドラッカーは、著書『現代の経営』(1954年)のなかで、「企業の目的は利益を追求することではなく、顧客を創造することである」と定義付け、企業には基本的な機能として「マーケティング」と「イノベーション」があると位置づけました。

「マーケティング」とは顧客の欲求を理解することであり、「イノベーション」とは今までになかった顧客の欲求を創出し、社会や市場を変容させるほどのインパクトをもたらすことを意味します。そして、顧客の欲求を満足させる商品やサービスを提供することが、“顧客創造”につながると説いています。つまり、企業経営において重要なのは、顧客創造であり、顧客満足という「顧客志向」といえます。

 では、顧客志向を徹底し、顧客満足を追求することが企業活動においてどんなメリットをもたらすのか。顧客志向というと、「お客様第一」「お客様は神様」といった思考になりがちですが、そればかりではありません。仮に利益追求型の企業活動があったとすれば、無理なコストダウンや販売行為などによって顧客の不満足をまねき、企業価値の損失につながると言えるでしょう。

 昨今では「企業の社会的責任=Corporate Social Responsibility」(以下、CSR)が求められており、環境対策や法令遵守(コンプライアンス)、社会貢献など、CSRに関わる活動が顧客満足に影響することも見逃せない視点となっています。そして、それらが企業価値を高め、結果的に企業利益を生むといっても過言ではありません。

3.顧客の満足/不満足が生まれる仕組み

 顧客満足をもう少し深く見ていくと、商品やサービスに対して顧客が満足したかどうかは、「期待水準」と「知覚水準」がどれほど一致したかどうかによって決まると考えられています。

「期待水準」は顧客が事前にその商品やサービスから得られると期待していた水準のことを言い、「知覚水準」は実際に商品やサービスを体験して得られた水準のことを指します。

 つまり、「知覚水準」が「期待水準」を上回れば満足、逆ならば不満足となります。また、「知覚水準」には商品やサービスを主観的に評価することで表れる「知覚品質」とコストパフォーマンスを表す「知覚価値」があり、顧客がこれらを総合的に判断した結果、満足/不満足につながるのです。

 仮に顧客側が満足を得られると、友人や家族などにその商品やサービスを薦めたり、ブログやSNSなどで紹介したりするなど、いわゆる「口コミ」が発生します。この口コミによって、新たな顧客を生むことは多々あります。

 一方で、不満足を感じた場合には、口コミでネガティブな感想が大きく広まることも考えられます。場合によっては企業に対して「苦情」という形で伝わることもあります。顧客を失う恐れもありますが、ネガティブな意見を改善することができれば、「顧客満足」に変えることも可能となります。

4.顧客満足度の向上について


■顧客満足が向上すると、収益性は高まる?

 顧客が商品やサービスを提供する特定の企業に対して、愛着や忠誠心を抱くことを「顧客ロイヤルティ」と呼びます。顧客が商品やサービスに満足すれば、リピーターや常連客となる確率は高くなり、おのずと顧客と企業との結びつきも強固になっていき、顧客ロイヤルティは高まっていきます。

 また、ほかの人に薦めたり、長く愛用したりすることで、結果的に企業の収益性にも大きく寄与します。つまり、顧客満足の向上が、顧客ロイヤルティを高め、企業の収益性を高めることにつながると言えます。


■顧客満足を向上させるには?
 顧客満足という言葉があたり前になりつつある昨今、顧客の「期待水準」はますます上昇し、以前ならば満足してもらえた商品やサービスでも、「こんなものだろう」と満足感が薄れることも少なくありません。

 また、「期待水準」が高いからこそ、それに対する「知覚水準」が低かったとき、顧客不満足から失望感へとつながってしまうこともあります。企業におけるCS活動は、明快な答えが見えづらくなっているのも現状です。

 そうしたなかで、顧客満足を得るためのヒントがあるとすれば、客観的な顧客満足度データに基づき、商品やサービスが顧客からどう評価されているのかを知ることは重要です。

 そこから、ターゲットを絞った商品企画や開発、サービスのカスタマイズなど既存の「期待水準」に当てはまらない新たな価値を創りあげることが、顧客満足、その先の「顧客感動」へとつながると考えられています。

■顧客満足を実現する企業・組織とは?
 顧客満足を実現している企業や組織は、「従業員満足=Employee Satisfaction」(以下、ES)を実現しているところも多いようです。従業員が適材適所で働き、労働に見合った報酬を得ることで、商品やサービスの品質が保たれます。さらに、それによって顧客の満足につながり、顧客ロイヤルティが高まることで収益性も上がり、従業員もさらに満足する。こういった好循環が続くことは、企業としての理想型と言えるでしょう。

5.オリコンの顧客満足度調査データはどういったもの?

 さまざまなサービスを可視化することが目的のオリコン顧客満足度では、実際に各商品やサービスを利用したユーザーのアンケートから多項目にわたる満足度を調査し、収集したデータの分析および提供を独自に実施しています。調査結果は、「オリコン顧客満足度ランキング」として公表し、消費者に還元することで、社会全体の暮らしの満足度向上に貢献することを目指しています。

 また、長年にわたって音楽ランキングをリードしてきたアイデンティティを基に、第三者の中立的な立場で、精度の高い顧客満足度指標を作成しています。 さらに、全サービスの調査データは、さまざまな形でレポートとして提供可能です。各社の強み・弱みを顧客満足度の評価項目別に分析したうえで、オリジナルの分析レポートを作成。企業別に、評価項目の分析検証、比較検討した競合の俯瞰、重視項目の比較、情報源の分析、他社推奨分析、フリーコメントの総括を行い、競合比較を分かりやすくまとめます。

 調査データを活用することで、自社と競合を分析し、差別化・訴求ポイントを明らかにすることができます。


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