トップの理由

ブラス・河合達明社長が語る「最高の結婚式」の原点 司会者時代の“違和感”がNo.1サービスを生む契機に

ブラス・代表取締役社長の河合達明氏

「オリコン顧客満足度調査」の各種ランキング1位企業のトップが、お客さま満足度No.1の理由や業界課題について語るインタビュー企画【トップの理由】。今回は、ハウスウエディングランキングで2018年、19年と、2年連続で総合1位を獲得したブラス・代表取締役社長の河合達明氏にお話を伺った。(このインタビューは、2020年2月に行ったものです)

1.友人の結婚式で司会を務めたことが、業界進出のきっかけに

 一世一代のイベントなのに、結婚式・披露宴はどうしてこんなに画一的で自由がきかないのだろう――。これは全国に直営店型のハウスウエディング事業等を展開するブラス・代表取締役社長の河合達明氏が、司会者事務所に所属していた90年代当時、結婚式の進行役を務めながら常々抱いていた感情だ。河合氏は、この「違和感」をきっかけに1998年に起業。「それぞれの新郎新婦にとって、最高の結婚式を創る。」というポリシーが評判を呼び、「オリコン顧客満足度調査」のハウスウエディングランキングでは、2018年、19年と2年連続で総合1位を獲得した。新郎新婦から支持される理由、全てはその原点に隠されている。

 同社のハウスウエディングへのこだわりは大きく3つある。1つ目は、1チャペル、1バンケット、1オープンキッチンによる「完全貸切ゲストハウス」で式・披露宴を行うこと。2つ目は「ウエディングプランナー一貫制」で、出会ったその日から結婚式当日まで1人のプランナーが新郎新婦の担当者として責任を持つこと。そして、3つ目は「オープンキッチンスタイル」によって最高のタイミング、演出で料理を提供し、ゲストをおもてなしすることだ。この“ブラス・スタイル”は、「最高の結婚式」を追求するなかで確立されていったもの。これらが顧客の心を掴み、前出のハウスウエディングランキングでは、「サロンの清潔度・雰囲気」「ウエディングプランナー」「料理」「式・披露宴」など、全13ある評価項目別においても2年連続で全項目1位という偉業を達成した。河合氏の「最高の結婚式を創りたい」という思いが、結果として実績に結びついているのだ。

  • ブラス2号店の「オランジュ:ベール」(愛知・日進)

    ブラス2号店の「オランジュ:ベール」(愛知・日進)

  • ブラス2号店の「オランジュ:ベール」(愛知・日進)

    ブラス2号店の「オランジュ:ベール」(愛知・日進)

  • ブラス人気店の1つの「ブルーレマン名古屋」(愛知・名古屋)

    ブラス人気店の1つの「ブルーレマン名古屋」(愛知・名古屋)

  • ブラス人気店の1つの「ブルーレマン名古屋」(愛知・名古屋)

    ブラス人気店の1つの「ブルーレマン名古屋」(愛知・名古屋)

2.ブラスがこだわる“3つのスタイル”

【1】完全貸切ゲストハウス
ブラスの会場は全てが完全貸切型。非日常感を味わえるように、1つのゲストハウスには「1チャペル」「1パーティー会場」「1オープンキッチン」のルールを徹底させている。式は1日最大2組までの完全入れ替え制。ほか のお客さまとすれ違うことのない完全プライベート空間で、会場全体を自由に装飾することも可能。

【2】ウエディングプランナー一貫制
晴れの日を控える2人が初めて会場に訪れた時に案内すること、一緒に結婚式の内容を考え準備すること、結婚式当日に新郎新婦とゲストのすぐそばでサポートすること。この3つの役割を分業にせず、あえて1人のウエディングプランナーが担当する。そうすることで、よりそのカップル“らしい”式を提案し、当日も万全のサポート体制で臨むことができる。

【3】オープンキッチンスタイル
厨房から会場内を見渡すことができるため、シェフやパティシエはパーティーの進行を確認しながら、最高のタイミングで料理を提供することが可能。また、ガラス越しに披露される迫力ある調理パフォーマンスは、式の演出の1つになる。素材や調理法にこだわったおいしい料理を届けることは大前提として、そのスタイル全てが「最高のおもてなし」につながる。

 そもそも、河合氏とウエディング業界との最初の出合いは、21歳のとき。友人から依頼を受け、そこで人生初の結婚式の司会に挑戦した。すると、ユニークな司会ぶりが評判となり、以降、友人や知人から「こっちもお願い!」とオファーが舞い込むようになる。するとそのうち、司会者事務所の目に止まりスカウト。27歳になった頃には、食品メーカーで会社員として働く傍ら、土日は結婚式の司会者として力量を発揮していた。ところが、順調にキャリアを重ねる一方で、河合氏はどこか悶々とした日々を過ごしていた。