トップの理由

「オンリーワンのチームづくり」が最高の結婚式を創る カギは“直接雇用”のアルバイト育成に/ブラス・河合達明社長インタビュー【後編】

ブラス・代表取締役社長の河合達明氏

「オリコン顧客満足度調査」の各種ランキング1位企業のトップが、お客さま満足度No.1の理由や業界課題について語るインタビュー企画【トップの理由】。今回は、ハウスウエディングランキングで2018年、19年と、2年連続で総合1位を獲得したブラス・代表取締役社長の河合達明氏にお話を伺った。(このインタビューは、2020年2月に行ったものです)

1.専属のプランナーを中心に、社員・アルバイトで“オンリーワン”のチームをつくる

 結婚披露宴を創り上げていくなかで以外な盲点となるのが、結婚披露宴というイベントの「幹事」が、開催当日は「主役」になるということだ。考えれば当たり前の構図だが、結婚披露宴以外のイベントでこのように「状況が逆転する」ケースは極めてまれと言えるだろう。それ故に、この“ひずみ”を解消するためにどんなアプローチをするかによって、その結婚披露宴が新郎新婦にとって「良いものであったか否か」を、大きく左右すると言っても過言ではないはずだ。全国に直営店型のハウスウエディング事業を展開するブラスでは、“ブラスバンド”のような「最高のチーム」で新郎新婦の晴れの日を支えている。

  • 写真は関東初出店となる「アコールハーブ」(千葉県船橋市)のバンケット

    写真は関東初出店となる「アコールハーブ」(千葉県船橋市)のバンケット

 同社のこだわりの1つが、「ウエディングプランナー一貫制」。その解釈は事業社によって異なるが、ブラスでは新規営業から打ち合わせ、結婚式当日の介添え・キャプテン業務まで、1人のプランナーが一貫して新郎新婦に寄り添うことを指す。そして同社では、担当プランナーをリーダーとして、その他のプランナーや料理人などの社員複数名と直接雇用によるアルバイトスタッフで、そのカップルにとって“オンリーワン”のチームをつくる。ブラス代表取締役社長の河合達明氏は、このような体制づくりを行う理由について次のように語る。

「現場を取り仕切るスタッフたちが新郎新婦に共感していてこそ、良い結婚式ができる。そのため、弊社では担当ウエディングプランナーをリーダーにチームを形成し、プランナーがお客さまの情報を的確にスタッフと共有したり、ときにはお客さまとチームスタッフが一緒に打ち合わせを行ったりします。その2人にとって最高の式にするための意思統一を徹底させているんです。幹事である新郎新婦が当日主役になるということは、私たちスタッフがお2人に“成り代わって”おもてなしをして差し上げなければいけないということ。当日、主役のお2人には、来賓の皆さまと一緒になってただただ楽しんでいただくだけ。だからこそ、チームづくりが大切なんです。スタッフたちは、『幹事に成り代わって式を運営するのは、約1年前からお2人に寄り添ってきた自分たちチーム以外にはない!』というように、愛情を持って日々業務にあたっています」(河合氏)

社員・アルバイトが業務中、常に身につけているという「ブラスラブカード」(C)oricon ME inc.

社員・アルバイトが業務中、常に身につけているという「ブラスラブカード」(C)oricon ME inc.

 相手のことを知り、愛着を深めていく――まるで、男女が恋人になっていくプロセスのようだが、新郎新婦とスタッフは打ち合わせを重ねる日々で、そんなような強固な信頼関係を築き上げている。だから、式の途中で執拗に確認をしたり、進行を委ねたりするようなことはしない。たとえば、担当プランナーがプログラムの順番や内容に何か変更が必要だと感じれば、即座に変更していく。新郎新婦に成り代わって判断し、最善を尽くす。それがブラスのウエディングプランナーと言えるだろう。