活用事例:アップルオートネットワーク

社内改革/顧客満足度ランキングをKPI化

 圏外という結果を受けて、社内改革を推進。「オリコンで総合1位を獲る」という明確な目標を会社のKPIに設定し、それを社内外に大々的に発信した長谷川社長は、外部に委託して各店舗のサービスレベルを調査した。その結果を加盟店で共有し合い、改善箇所のための勉強会を定期的に開催したほか、表彰制度を設けて、店舗のモチベーションアップに繋げた。その成果は、数年かけて「顧客満足度ランキング1位」という結果となって表れた。

ランキングが生んだ「明確な目標」

圏外となった翌年の2013年に、社内で行う『ベストスタッフコンベンション』の場で、オリコン総合1位を獲ることを大々的に発信し、「お客様の満足度が1番高いチェーンを目指す」という大きな目標を改めて会社のKPIとして掲げました。それまでも顧客満足向上に努めてきたわけですが、指標となるものはありませんでした。ですが、「オリコン顧客満足度ランキング」が発表されたことで、当社のポジショニングや課題がわかり、社員に我々が目指すべき「明確な目標」を示すことができました。そういう意味では、オリコンのランキングで“圏外”だったのは良かったのかもしれません。中途半端な順位であれば、あまり燃えなかったかもしれませんからね(笑)。

実際に取り組むにあたり、今の我々がどういう状態にあるのかをさらに理解するため、外部に委託して全220店舗にミステリーショッパーを派遣し、各店舗のサービスレベルを調査しました。その結果を加盟店のオーナー会議で発表し、それぞれの課題点を認識してもらいました。さらに、「アップルアカデミー」と称する勉強会をFC加盟店向けに定期的に実施することにしました。そこでは具体的な事例を交えて、顧客満足度向上のために必要な心構え、スキル、必要条件などについて話し、重点的改善箇所についてのディスカッションなどを行っています。

危機感から社内改革を推進した長谷川社長
危機感から社内改革を推進した長谷川社長

1位獲得のための施策

改善点はいくつもありますが、複数のことを一度に行わせるのは無理なので、アカデミーでは分かりやすくポイントを2つに絞っています。1つは、店頭でお客様が席に着くまでに「ありがとう」を5回言ってもらうこと。そのためにどんな接客をすればいいかを考えます。丁寧な対応、わかりやすい説明、元気の良さ、提案力があれば、お客様は店舗に対して好感を持っていただけます。そうすれば、成約にもつながりやすくなります。だからこそ、お客様が来店された際の我々の行動は重要だととらえています。

もう1つは、当社を利用するメリットをお客様にしっかり伝えること。当社と競合店とを比較すると、「うちのメリットをしっかり伝えること」ができていなかった。そこで、商談する際に、これまで当社では当たり前と思っているようなことも、言葉にしてきちんとお客様に伝えることにしたのです。実際、この2つに絞って改善していくだけでも効果がありました。加えて、評価のアップした店舗に対しては表彰を行い、モチベーションのアップに繋げた結果、「オリコン顧客満足度ランキング」の順位は、2014年度で3位、2015年度ではついに総合1位になることができました。

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