コロナ禍だからこそ強化したい、“顧客接点を生む”手書きボード・POP作りのコツ

 デジタル化の波により、昨今、サービスの形も変化しつつある。とくに対面接客においては、セルフレジやロボット、VTuber、デジタルメニューブックの導入など、人を介さない“デジタル接客”が徐々に浸透。これらは人手不足の解消やwithコロナの新しい生活様式など、あらゆる面で有効だが、一方で顧客とのコミュニケーションが希薄になってしまうリスクもある。こんな時代だからこそ、人間味あふれる「手書きボード・POP」は、顧客との接点作りや関係値を深めるために効果的なアプローチの1つと言える。でも、魅力的なボード・POPを作るには一体どうすれば? 店頭販促コンサルティング・中村心 代表取締役が登壇した、『第12回 Japan マーケティングWeek 夏』(東京ビッグサイト・9月2日〜4日)の講演会の模様をレポートする。

低コストで状況に応じたアプローチが可能! ボード・POPのメリット

 中村氏は、これまでにのべ30万以上の店頭を見てきた店頭販促専門のコンサルタント。ファッションメーカー、通販会社、出版社で培ってきた豊富なキャリアも活かしながら、店頭改善のアドバイス・提案コンサルティングで数多くの実績を持つ。企業研修やセミナー開催を行うほか、書籍の執筆も手掛けており、今年2月には最新刊『多店舗展開の会社がやるべき、店頭集客力の最大化戦略 〜強い店頭ファサードをつくるための実務と展開策』(エベレスト出版)を発売した。

店頭販促コンサルティング 代表取締役の中村心 氏 (C)oricon ME inc.

店頭販促コンサルティング 代表取締役の中村心 氏 (C)oricon ME inc.

 中村氏が考える店頭ボード・POPのメリットは、大きく以下の4つだ。

(1)低コストで実施できること
(2)誰にでも書けること
(3)思い立ったら書き換えができること
(4)人の温かみが伝えられること

 とくにこのコロナ禍は、感染者数の増減により行動制限が設けられるなど、私たちの生活環境は日々変化。そんな時にも、低コストで状況に応じたアプローチができるボード・POPを上手に活用することで、顧客との接点を広げていくことができるという。

アイテムは背伸びをせず、「自分に合ったもの」を選ぶべし

色ペンのイラスト

 ボードは、店舗の立地やスペース、雰囲気、予算に合わせて選ぶことが重要。ボードは店舗の外に置くと、雨風の影響などを受けることで、どうしても劣化してしまうもの。そのため、「最初に無理して高価なものを買うのではなく、『劣化したら買い換える』という考え方で、自分のお店に合ったものを選ぶことが大切です」(中村氏)という。なお、一般的なA型(縦59×横44cm)のブラックボードは、大体1万円弱で購入することができるそう。

 ペンはものによって丸型、くさび型、平型というように“ペン先”が異なり、それぞれ扱いやすさや目立ち度合いにも違いがある。字や絵の上手さ、デザインの良さももちろん大事だが、人を引きつけるボード・POPに一番必要なものは、「言葉(コピー・メッセージ)」と中村氏。ペンなど使用する道具は、自分の技術や目的に合ったものを選ぶことを意識すると良いそうだ。

顧客がボード・POPを目にするのは「歩きながら」、瞬時に理解できる内容が◎

店頭にボードが置いてあるお店のイラスト

 前述のとおり、人を引きつけるボード・POPに最も必要な要素は「言葉(コピー・メッセージ)」だが、加えて大切なのが「見やすさ・わかりやすさ」。顧客がボードを目にする状況というのは、立ちながら・歩行しながらであるため、目にした瞬間に理解できることが重要なのだとか。注意したいのは、「書きすぎではないか」「文字が小さすぎないか」「言葉足らずではないか」「専門用語が入っていないかどうか」などのポイント。中村氏が書く場合は、「大人に向けて書くというよりは、青少年向けくらいのイメージで、ボキャブラリーを持って書くように意識している」という。

 では、いよいよ具体的な書き方について。

 ちなみに、店頭ボード・POPには、営業時間や店内図、価格など“情報を伝える”ことを主目的とした「案内用ボード・POP」と、“顧客を引き寄せ、売上を作り出す”ことを主目的とした「販促用ボード・POP」と2種類あるが、講演会でクローズアップされたのは後者の「販促用ボード・POP」について。販促用ボード・POPには、「価格アピール型」「商品名アピール型」「魅力アピール型」と3タイプあり、今回は商材のジャンル問わず使うことができる「魅力アピール型」の書き方が伝授された。

中村氏が考案、“売れる”ボード・POPを書くためのテンプレ「3パーツ式法」

 そもそも、人を呼び込み、売上を上げるボード・POPには共通点があるといい、中村氏は豊富なキャリアから「3パーツ式法」という“売れる”ボード・POPを書くためのテンプレートを編み出した。これはボード・POPともに、上からパーツ1、パーツ2、パーツ3とスペースを3つに区切り、パーツごとに適した内容を書き込めばOKというものだ。

店頭ボードの場合

【パーツ1】
顧客の目と足を止めるためのキャッチコピーを書く。

【パーツ2】
「商材名(商材名だけで伝わらない場合は、商品ジャンルも必須)」、「価格(商材によっては不要)」、「商材の魅力やウリを訴えるコピー」を書く。

【パーツ3】
店外に置く場合は、不安やストレスを軽減し、入店を後押しするひと言を。店内に置く場合は、同じくお客さんの不安やストレスを軽減する言葉、もしくは「パーツ2」を補足する文言を書く。

店頭ボードの記載例

  • 店頭ボードの記載例

  • 店頭ボードの記載例

店頭POPの場合

【パーツ1】
顧客の目と足を止めるためのキャッチコピーを書く。

【パーツ2】
「商材名(商材名だけで伝わらない場合は、商品ジャンルも必須)」、「価格(商材によっては不要)」を書く。

【パーツ3】
商材の魅力やウリを訴えるコピーを書く。


※POPは基本的に店内にあり、商品の前や横に貼られるケースが多いため、ボードとは「パーツ2」「パーツ3」に入れる内容が少し異なる。

店頭POPの記載例

  • 店頭POPの記載例

  • 店頭POPの記載例

「3パーツ式法」でボード・POPを書く際は、取り上げる商材を1つ決めてから → その商材の魅力とウリを分析 → それぞれのパーツのコピーを下書きした後に書いていくと良いという。コピーを考える時には、振り向かせたい「ターゲット」を明確にし、具体的でわかりやすい表現(例:おいしい→甘くておいしい)にするとGood。なお、顧客の興味を引きつけるためには、「No.1」「お買い得」「限定」「ロングセラー」「季節/旬モノ」「第三者からの高評価」などの要素やワードが役立つそうだ。

「ボード・POPは、“もう1人のスタッフ”を配置するようなつもりで書いてみてください」(中村氏)。

 ボード・POPを有効活用することによって、人間味という“スパイス”の効いた接客ができるはず。集客に悩みを抱えている、顧客とのコミュニケーションを強化したいなどと考えている人は、上記のポイントを意識しながら、ぜひ一度取り組んでみてはいかがだろうか?

>店頭販促コンサルティング 公式ページ(外部リンク)