日本でも急速に普及が進むキャッシュレス決済。昨年10月の消費増税に合わせて政府が行った「キャッシュレス・消費者還元事業」や、事業者によるポイント還元施策などの効果により、国内のキャッシュレス決済市場は右肩上がりで推移。9月1日からは「マイナポイント事業」もスタートし、2023年度には約126兆円まで拡大すると予測される(矢野経済研究所「2019年版 国内キャッシュレス決済市場の実態と将来予測」より)。なかでも近年、台頭しているのがQRコード(※)決済をはじめとするスマートフォン決済だ。
こういったなか、顧客満足度調査を行うoricon MEでは、初めて「スマホ決済サービス」の満足度ランキングを発表。2020年 スマホ決済サービス 満足度総合1位には、フリマアプリ「メルカリ」に搭載される【メルペイ】が選ばれた。どんな点が利用者から支持されているのか、その他の上位サービスとともに見ていこう。
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本調査では「スマホ決済サービス」の定義を、QRコード、バーコード、非接触型決済など、スマートフォンを利用したキャッシュレス決済を提供するサービスと設定し、該当する企業14社について調査を実施。1ヶ月に1回以上、スマホ決済サービスを利用している4402人(年齢は18歳〜84歳)を対象に、利用するサービスについて回答を得た。調査期間は、2020年6月5日〜6月11日。
ランキングを構成する評価項目は6つ(「登録のしやすさ」「利用のしやすさ」「アプリの使いやすさ」「キャンペーン・ポイント」「サポート体制」「セキュリティ」)あり、これらは全19の設問から成り立っている。なお、ランキングは「満足度総合」「評価項目別」のほか、部門別(「男女別」「年代別」「決済種別」)の結果も発表している。
2020年 スマホ決済サービスランキング 満足度総合TOP10
順位 |
サービス名/(得点) |
1位 |
メルペイ (70.42点) |
2位 |
楽天ペイ (70.33点) |
3位 |
楽天Edy (70.29点) |
4位 |
d払い (70.27点) |
5位 |
モバイルWAON (70.21点) |
6位 |
PayPay (70.14点) |
7位 |
ファミペイ (69.99点) |
8位 |
LINE Pay (69.78点) |
9位 |
nanacoモバイル (69.62点) |
10位 |
モバイルSuica (69.49点) |
ユーザー目線の発想で 後発ながら高評価を集める「メルペイ」
1位に選ばれた【メルペイ】(70.42点)は、月間1745万人以上が利用する「メルカリ」に搭載された決済サービス。メルカリの売上金が利用できるほか、自身が利用する金融機関を登録することで、スマホを使ってメルカリや各種店舗で買い物をすることができる。非接触型決済サービスの「iD」、コード決済のいずれにも対応しており、コンビニやドラッグストア、ファストフード店など、利用可能な店舗は幅広い。満足度総合のほか、6つの評価項目のうち「アプリのデザインの良さ」「システムの安定性」等の設問からなる「アプリの使いやすさ」(74.31点)の項目でも首位を獲得している。
サービスインは昨年2月とキャッシュレス決済としては後発だが、それでも高い満足度を獲得できているのは、やはりメルカリ利用者を基盤にユーザー視点でのサービス提供ができているからだろう。そもそも、メルペイはメルカリの売上金を簡単にお店で利用できたら便利では?という着想から生まれたサービス。
回答者からは「メルカリでの買い物の時がすごく便利で良かった!」(30代・女性)、「メルカリでの売買と併用して使えるので身近で便利」(40代・男性)といった評価の声が目立つほか、機能のアップデートや他サービスとの連携など、スピード感をもって行われるサービス拡充に対して、「対応が早い」(20代・女性)、「使えるお店がとにかく増えていて使いやすい」(40代・女性)とのコメントも寄せられている。
メルカリでは、さまざまな視点から生活者の意識や行動の変化、次世代の「豊かさ」について新たな視点を見出していくための活動を行う組織「メルカリ総合研究所」を設けたり、事業や市場における課題解決や共有などを行うための有識者会議を展開したりと、サービス向上に向けた取り組みが活発に行われており、そういった企業の探求心がメルペイの満足度にもつながっているのではないだろうか。
スマホ決済サービス「評価項目別」(全6項目)ランキング