テーマパーク満足度調査、東はTDS、西はUSJが首位 わずかに異なる支持理由

 新型コロナウイルス感染拡大により、大きな打撃を受けているレジャー産業。テーマパークもその1つ。緊急事態宣言は全国で解除されたものの、未だに臨時休業・休園を余儀なくされている施設は多く、自身の“お気に入りのスポット”に思いを馳せている人もいることだろう。そんななか、顧客満足度調査を行うオリコンでは、「テーマパーク」の顧客満足度ランキングを初めて発表。総合満足度1位は、東日本が【東京ディズニーシー】(76.33点)、西日本が【ユニバーサル・スタジオ・ジャパン】(70.73点)となった。来場者はどういった点に満足しているのか? 詳しく見ていこう。

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 同調査は、2020年1月6日〜14日の期間、過去1年以内にテーマパークに行った15歳以上で、入園料を把握している人を対象に、利用したテーマパークの満足度について回答を得たもの。なお、対象施設は【1】入園料をとっている、【2】園内全体に非日常的な特定のテーマがある、【3】アトラクションがある、【4】オリジナルキャラクターがいる、という4つの条件を満たしたテーマパークとしている。ランキングを構成する評価項目は7つ(「チケットの買いやすさ」「スタッフの対応」「パーク内の快適さ」「フード・ドリンクの充実さ」「ショップの充実さ」「空間演出」「利用のしやすさ」)あり、これらは全25の質問から成り立っている(※前述の通り、同調査は緊急事態宣言前に実施したもの)。

「テーマパーク」ランキング 総合TOP5

TDSとTDL、「スタッフ(=キャスト)対応」はともに80点超え

 東日本ランキング総合1位の【東京ディズニーシー(以下、TDS)】は、「冒険とイマジネーションの海へ」をキャッチコピーに、01年9月オープン。世界中にあるディズニーのテーマパークの中で唯一、海をテーマとしており、海外でも一目置かれる存在となっている。エリア設定やアトラクションには、綿密なストーリーが隠されているものが多く、たとえば昨年7月にオープンしたアトラクション「ソアリン:ファンタスティック・フライト」も、すでにある海外の設定を一部変更し、TDSオリジナルのテーマやシーンが追加されている。そういった、ゲストの想像力を掻き立てるような仕掛けもあいまってか、部門別では「30代」「40代」「50代」「60代」と年代の高い層や「リピーター」など、全8部門で1位を獲得している。

 そして、総合2位となったのが、TDSと対のパークである【東京ディズニーランド(以下、TDL)】(75.62点)。「夢と魔法の王国」がキャッチコピーのTDLは、同じく老若男女に支持されながらも、より若年層の満足度が高いようで、部門別では「20代」で1位となった。

 7つの評価項目を見ていくと、両テーマパークとも共通して「スタッフの対応」(TDS:80.99点/TDL:80.09)、ショーやパレード、アトラクション、景観の魅力について評価した「空間演出」(TDS:79.96/TDL:79.13)、清潔さや混雑緩和に対する対策などを評価した「パーク内の快適さ」(TDS:77.45/TDL:76.78)の3項目で高得点を獲得(下図)。特に「スタッフの対応」では、いずれもが80点超えを記録している。東京ディズニーリゾートでは、働くスタッフのことを“キャスト”と呼び、1人ひとりがゲストに対して夢や感動、やすらぎを提供していけるよう独自の人材育成・支援を行っていることで知られており、SNS等では“神対応”のエピソードが投稿されることもしばしば。ゲストを笑顔にすることで得られる喜びは、キャストのやりがいにもつながっている。そういった幸せのサイクルが循環しているからこそ、満足度の高いサービスを提供し続けられていると考えられそうだ。

 ディズニーリゾートでは、人気ゆえの混雑問題が課題の1つとしてあったが、昨年は公式アプリでファストパスが取得できるサービスを開始したり、導線を改修したりと、混雑緩和に向けた対策にも尽力。細やかな施策の数々もまた、ゲストの満足度を高める要因となっていることだろう。

東京ディズニーシー 回答者のコメント(一部)
●アプリでファストパスがとれるようになり、無駄な移動が減ってほかの乗り物に並んだり、使える時間が増えた。(20代・女性)
●妻が妊娠中だった時、スタンバイの時間中、座れるように配慮してくれた。(30代・男性)
●ショーやアトラクションなどが常に変化していて、いつ行っても飽きがない。(50代・女性)
●園内を歩くだけでも楽しい。(60代・女性)

東京ディズニーランド 回答者のコメント(一部)
●ディズニーの世界観を忠実に再現している。(20代・女性)
●いつも夢の国に来た感じがある。夜までいても気分が疲れない。(30代・女性)
●パーク内がいつも清潔に保たれており、過ごしやすい(40代・男性)
●スタッフの対応はいつ行っても素晴らしく、大概の質問にもその場で答えてもらえる。 働いている人達の意識は高いと思う(40代・女性)

1日900円! 気分や季節によって楽しみ方が変わる、ふなばしアンデルセン公園

 そのほか、東日本ランキングでは、V字回復させた小巻亜矢館長(サンリオエンターテイメント代表取締役社長)の手腕でも知られる【サンリオピューロランド】(72.03点)が総合3位に。そして、総合4位には千葉・船橋市にある【ふなばしアンデルセン公園】(71.74点)がランクインした。同パークは約38.3ヘクタールと、東京ドーム約8個分の大きさを誇る自然豊かな公園。園内は5つのゾーンに分かれており、「ワンパク王国ゾーン」ではアスレチックや小動物とのふれ合いを、「メルヘンの丘ゾーン」では、船橋市と姉妹都市で結ばれたデンマーク・オーデンセ市の田舎風景が堪能できる。四季折々で楽しめる花や植物、イベントも満載で、その日の気分や季節によってさまざまな楽しみ方ができる点が魅力の施設となっている。

 また、極めつけは入園の価格設定。公益財団法人 船橋市公園協会による運営ということもあり、一般900円、高校生600円、小・中学生200円、幼児100円、65歳以上にいたっては無料となる。年間パスポートも一般3000円で用意されており、7つの評価項目のうち、プラン内容や料金に対して評価した「チケットの買いやすさ」では、TDSやTDLを差し置いて1位に。回答者からは、「料金が安くて利用しやすい。年齢問わず楽しめる施設」(30代・女性)、「子どもたちが自然の中でのびのび遊べるところがとても良い。入場料だけで遊び倒せるところがとても良い」(50代・女性)といったコメントが寄せられている。

異色コラボも多数、“やりすぎ演出”で性別・世代を問わず愛されるUSJ

 一方、西日本ランキング総合1位は、大阪市の【ユニバーサル・スタジオ・ジャパン】。「世界最高を、お届けしたい」というコンセプトのもと、『ハリー・ポッター』や『ジュラシック・パーク』など、世界的な大作映画だけでなく、さまざまな人気エンターテインメント・ブランドをテーマにした本格的なアトラクションやショー、シーズンイベントを展開している。15年からは大々的にクールジャパンを掲げ、『新世紀エヴァンゲリオン』や『進撃の巨人』、『名探偵コナン』など、日本の人気アニメやゲームとコラボ。今年は、任天堂をテーマにした新エリア「SUPER NINTENDO WORLD(TM)」がオープンする予定で、世界からも注目を集めている。

 これは「世界最高」に通ずるところでもあるが、USJならではの心意気というか、良い意味で“やりすぎ感”がある。ハロウィンには、夜になるとパーク内の至るところに“ウォーキング・デッド”さながらのゾンビが溢れ、クリスマスにはギネス世界記録認定のツリーがお目見え。前述の人気アニメやゲームとのコラボも、それに匹敵すると言える。そういった規格外の取り組みが支持され、部門別では男女別、年代別(各20代〜60代)、利用者/利用回数別(ファミリー、初回利用、リピーター)とすべての部門で1位に。なお、7つの評価項目では、「スタッフの対応」(74.70点)、「空間演出」(74.01点)、「利用のしやすさ」(72.73点)の順で高得点を獲得している。

ユニバーサル・スタジオ・ジャパン 回答者のコメント(一部)
●スタッフさんたちがとにかく丁寧だったり、楽しませてくれる。ショー、パレードも素敵だった。景観も楽しめるし、アトラクションもとても楽しめる。グッズ、お土産の種類の豊富さも見る楽しみ、選ぶ楽しみ渡す楽しみがある。(20代・女性)
●毎年行っていますが、いつも満足して帰ることができている。(20代・男性)
●アトラクションやショーは飽きの来ないように工夫されていて、小さい子から大人まで楽しめる。何より交通アクセスがいい。(40代・女性)
●施設内の配置がわかりやすいので、無駄に歩くことなく目的地に着くことができる。(40代・男性)

 ほか、西日本ランキング総合2位には、「フード・ドリンクの充実さ」「ショップの充実さ」の評価項目で特に満足度の高かった長崎県の【ハウステンボス】(69.68点)。3位にはサンリオピューロランドの姉妹施設である大分県の【ハーモニーランド】(69.27点)がランクイン。3000円というチケット代金に対するコストパフォーマンスの部分で、特に高い満足度を得ているようだ。

「2020年 オリコン顧客満足度(R)調査 テーマパーク東日本/西日本」調査概要
●対象企業・企業数:以下の定義を満たした「東日本」12社、「西日本」7社
 【1】入園料(入場料)をとっていること
 【2】園内全体に非日常的な特定のテーマがあること
 【3】アトラクション(乗り物、アクティビティ、ショー、パレードなど)があること
 【4】施設にオリジナルキャラクターがいること
●回答者の条件:過去1年以内にテーマパークに行った15歳以上で、入園料を把握している人(無料で入園した人は除く)
●総サンプル数:5024人(東日本:2996人/西日本:2028人)
●ランクイン規定人数:100人以上
●期間:2020年1月6日〜14日
    ※新型コロナウイルス感染拡大に伴う、政府による緊急事態宣言前の調査結果
●方法:インターネット調査