「生涯学習のユーキャン」というブランド名に象徴されるように、ユーキャンは人々の「もっと学びたい」という気持ちや知的好奇心に寄り添い、長年サポートし続けている企業です。資格・実用・趣味など150種にわたる通信講座をはじめ、通販、文化振興、エンタメ事業など、幅広い領域で展開するビジネスの根本は、“学ぶよろこびをあなたに”という企業理念。明日への漠然とした不安が続く現在、ますます注目され、ニーズが高まっています。
そんなユーキャンの基幹事業である通信講座、なかでも人気の高い資格講座のマーケティングにおいて、オリコン顧客満足度(R)調査の商標が活用されています。どのような経緯で商標利用を続けておられるのか、どのような効果が得られているのか。教育事業部でウェブマーケティングに携わる猪俣隼也さんにお話しいただきました。
>ユーキャン 公式サイト(外部リンク)
活用したもの
【商標】
●ご契約開始:2018年4月〜
●直近のご契約内容(2020年9月〜21年8月):
(1)通信講座 簿記 総合1位
(2)通信講座 簿記 評価項目別 1位
<「問い合わせのしやすさ」「入会手続きの容易さ」「カリキュラムの充実度」「教材・テキスト」「サポート体制」「適切な受講料」の全6項目>
(3)通信講座 FP 総合1位
●主な活用用途:通信講座カタログ、メールマガジン、ダイレクトメール、リスティング広告、講座用ウェブページメインビジュアル、封筒、公式LINEアカウントのタイムライン など
>各種「商標ロゴ」利用に関するお問い合わせはこちら
※この内容は、2021年4月時点のものです
効果の実感
●「競合との差別化を強化したい」という自社の課題解決につながった
●第三者機関の調査という説得力と、商標の持つ「説明不要のわかりやすさ」が顧客を後押し。ウェブ媒体、紙媒体の活用ともに高い費用対効果が得られた
●「総合1位」と「評価項目別1位」の商標の併用利用で、
お客さまへの説得力が格段に向上
●クリエイティブの表現方法はさまざま、
「2年連続」の実績表記ではCVRが120%超え
●社員から講師の先生まで、
1位獲得(=品質アップ)に向け全社的に士気が向上
明日への「学び」を通じて暮らしを豊かに コロナ禍でより高まるニーズ
――まずは、ユーキャンさんの事業内容について教えてください。
猪俣さん さまざまな通信教育講座を中心に、約150の講座を運営する教育事業が、大きな柱です。加えて、出版、CD販売、日々の暮らしの質を高めることにこだわった各種商品の通信販売なども手がけています。「学び」を通じて毎日をより豊かに楽しくするお手伝いをしています。2003年からの「新語・流行語大賞」をはじめとした「現代用語の基礎知識」に関するパートナーシップも、すべての人に学ぶ喜びを提供し、社会・文化に役立ちたいという理念からの連携となります。
――コロナ禍でこれまで以上に“おうち時間”が増え、たとえば資格の取得に興味・関心を持つ層も増えているのでしょうか。
猪俣さん 一般的に、世の中が不況になると資格ニーズが高まる傾向があると言われていますが、やはり在宅時間が増えたことにより、2020年4月以降、業界全体で顕著に関心が高まっているという実感はあります。現状の集計では、対前年比で受講者は約1.6倍。弊社の独自アンケートでは、「コロナ以降で新しく勉強を始めた、これから始めようと考えている」と回答した人の割合が約6割、という結果になりました。
こうした状況の中でも達成可能なスキルアップの手段として、通信講座が選ばれているということだと思います。とくにパソコンスキルや簿記、ファイナンシャル・プランナー(以下、FP)などニーズは高まっていますし、趣味系でも自宅でできるガーデニングなどは受講者数が伸びています。
第三者機関の調査という説得力と、商標の持つ「説明不要のわかりやすさ」が顧客を後押し
――御社は、「簿記」「FP」などオリコン顧客満足度調査の通信講座の各ランキングで上位に(各ランキング結果はこちら)。現在、その「商標」をマーケティング活動にご活用いただいております。なぜ、ご契約に至ったのか、利用をお決めになられた経緯を教えてください。
猪俣さん 導入は2018年になるのですが、当時抱えていた大きな課題がありまして。実は競合他社やeラーニングの台頭などもあり、特に法律・資格系の講座でシェアを落としていた時期だったんですね。お客さまにとっては、選べるサービスや学習方法の選択肢が増えたということなのですが、それまで名指しで「ユーキャン FP」「簿記 ユーキャン」といった検索ワードでサイトを訪れていた方々から、「ユーキャン」という語句が省かれる傾向にもなりつつあって。もう少し何か、明確にユーキャンを選んでもらえるような差別化、契約に至る“あと一押しの価値”が必要なのでは、という課題がありました。
――より御社としてのブランド価値を高めるために、オリコン顧客満足度の「商標」をプラスしてみよう、という流れになったわけですね。
猪俣さん 商標利用で、どれくらい効果が見込めるかを試算した結果、費用対効果の期待値が高かったということです。時期的にはすでに2018年の4月で、その年の8月までの契約ができる(最新の通信講座ランキングが9月発表だったため)とのことでしたので、トライアルの意味も含めて導入を決定しました。ウェブ以外でも、ダイレクトメール(以下、DM)や総合カタログ冊子などの印刷物で掲載をしました。
結果、商標を掲載したFPのみ、顕著に講座の申し込み数が伸びたのです。反応はウェブが速いのですが、5月以降は全体的にはほかの講座が昨対比微減〜横ばいといったトレンドのなか、FPだけが昨対比110%の申し込み数となりました。商標利用を現在まで継続している理由は、目に見えて効果があるから、ということになります。
――オリコン顧客満足度の「商標」のどんな部分に、有益性や魅力を感じてくださっていますか。
猪俣さん やはり、自社調べ・自社発信の実績と比べ、消費者(お客さま)の受け止め方、その後にとるアクションはまったく異なってくると実感しています。受講するためにかかる費用は、決して安くはありませんが、オリコンという第三者による顧客満足度調査の結果だという説得力は、講座の選択をする際に、最後に背中を押してくれる大きな力になっています。「オリコンが発表する、顧客満足度ランキング」というネームバリューのわかりやすさ、信頼感も魅力的。講座のメインビジュアル周辺に商標を配置するだけで、詳細な説明をショートカットして、いきなり訴求することができます。また、弊社以外でも、商標を活用している多様な他社さんがおられる、それらを日常的に目にしていることから生まれる安心感も、お客さまにとっては大きなものだろうと思います。
お客さまへの訴求だけでなく、自分たちの仕事を客観的に評価してくれる貴重な指標の1つ
――簿記講座では、ランキング総合1位に加え、「教材・テキスト」「サポート体制」など、付随する全6つの評価項目別ランキング1位の商標も使用されています。併用するメリットはどのようなものでしょうか。
猪俣さん 迷っているお客さまに、ユーキャンはどんな部分が評価され選ばれているのか、我々がとくにどこに自信を持ってオススメしているのかを明示できる、その強みは大きいです。最初に目に入りやすい部分に「総合1位」、内容の具体的な説明部分に「評価項目別1位」を配置して、ガイダンスの流れを演出することで、より説得力をアップすることもできます。
――ご契約は今年の4月で4年目を迎えますが、先にご紹介いただいた商標の併用利用のほかにも、使い方を工夫してくださっているそうですね。
猪俣さん そうですね。たとえば、FP講座については、2018年4月からの導入で、4月〜8月までは「2017年 通信講座 FPランキング 総合1位」の商標を。9月に2018年度のランキングが発表されると、嬉しいことに2年連続で総合1位を獲得できたことから、商標を活用する際にも「2年連続1位」という表記を入れてみることにしたんです。
すると、講座の申し込み率(以下、CVR)の上昇率としては、商標掲載前と比べて、2018年4月〜8月までは約110%、(2年連続1位の表記にした)2018年9月以降は120%の伸びになるなど、顕著でした。「2年連続」の実績をオンするだけでも、効果にポジティブな変化がありました。ところがですね…。
――2019年度(19年9月発表)の通信講座 FPランキングでは、ユーキャンさんは総合2位という結果に。
猪俣さん 正直ショックでした。ですから、「2位」での商標自体の掲載は見送って、過去商標(2018年度 通信講座 FPランキング総合1位)の掲載となりました。ただ、それまで1位と評価されていた順位を落としてしまったことで、新たな課題感は確実に生まれました。どちらかといえば、お客さまのご理解を促進させるための商標だったものが、同時に自社のサービスはどうなんだ、と問い直す評価指標として意識されるように変化しました。ターニングポイントと言って良いような、社内での緊張感、危機感につながりました。
これを受け、全社的な方針として教材・サービスの見直しが推進され、とくにFP講座は緊急の見直し・改良作業に着手しました。教材を制作する者や講師陣は、なかなか自分たちのやっている仕事を客観的に評価される場面が少ないこともあり、貴重な機会にもなったと話しておりました。かなり刺激を受けて、ランキング1位への返り咲きが社内での大きな目標になりました。何より悔しくて、自分たちでさまざまな競合サービスなどのことも徹底して調べて、どうやったら超えられる品質になるのかを検討して、改良していきました。
――なるほど、そうした努力が反映された結果、2020年度(20年9月発表)のFPランキング総合1位返り咲きにつながったわけですか。
猪俣さん 結果の一報に社内は沸きました(笑)。目的を持って改善してきて、それが目に見える形できちんと評価された、その達成感は大きかったと思います。一度2位になったからこそ、たゆまない努力で品質を向上させていくことが大事だと、改めて気を引き締め、モチベーションを上げる良い機会になりました。オリコン顧客満足度調査の通信講座ランキングで1位を獲得できていないその他の講座、たとえば「宅建」「社会保険労務士」など、現状のランキングを意識し、より注力していこうという空気も生まれつつあります。
商標だけでなく、機能とターゲットによって多彩な訴求パーツを組み合わせ最大の効果を狙う
――首位に返り咲いたことで、通信講座 FPランキングでは、17年度、18年度、20年度と3回の総合1位を獲得したことになりますが、それを商標に落とし込む際には、なかなか表現が難しいように思えます。
猪俣さん もちろん、商標を1つの画像としてどう見せるかも、CVRに直結する大事なところですから、工夫を怠らずに取り組んでいます。「3度目の1位」「1位に復活」といったワードではなく、王冠と年度を3つ並べた横に「第1位」と表記する、といった表現ですね。継続的な実績があるからこそ広がる表現の幅というものもありますし、効果にもつながっていくと考えています。
――今後の商標利用については、どのようなイメージをお持ちでしょうか。
猪俣さん もともと、何か新しいことを始めてみようとみなさんが思うシーズンであろう「1月」を、私たちは最重要期と位置付けていまして、かなりの量のプロモーションを仕掛けるのが通例。ですが、今後はよりきめ細かく、年間を通じての需要喚起を図っていこうと考えています。資格の試験がある月によって、講座ごとにニーズの起伏がありますので、そこを逃さないよう、効率的なアプローチを行っていきたい。その際に、商標を備える効果が最大化できるような、クリエイティブなり導線なりを整えていきたいですね。
ロゴ画像としての商標の強みというのは、やはりパッと見た瞬間に伝わる力。たとえば、資料請求で最初に届く講座資料の最初のページなどで使うことで、出会いの印象が格段に違ってきます。具体的な説明の流れのなかで補強的に使うこともできますし、SNSやメールマガジンならテキストベースでの説得力も生まれます。
もちろん、現状でも自社調べのデータやほかのリサーチ会社さんのデータなども、機能とターゲットに応じて柔軟に組み合わせて使い分けています。媒体によって利用者の属性も変わってきますし、反応も違う。今後も商標の強みを上手に活かしつつ、きちんとお客さまに届くコミュニケーションを継続して構築していきたいと考えています。
――わかりました。引き続き、よろしくお願いいたします!
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>「商標」の事例
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記事公開:2021年4月16日
(記事内の役職などの情報は、すべて取材時点のものです)
(インタビュー・文/及川望)