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「データサイエンス」が今後のビジネスの要となる理由 日本では導入スピード・人材育成に課題も

5.社会人の受講者は30代が最多、ほかにも若手から管理者層の50代までさまざま

「実世界データ演習」の受講者の様子について語る中岩さん(C)oricon ME inc.

「実世界データ演習」の受講者の様子について語る中岩さん(C)oricon ME inc.

「初めての取り組みということで、社会人の方は無償で参加できる仕様だったことも影響しているかもしれませんが、定員(大学院生、社会人、各20名)を大きく上回る募集がありました。19年7月くらいに募集を開始して、最終的にはそれぞれ30名以上がプログラムに参加しました。社会人では、実際にデータサイエンスに携わっていらっしゃる方から、この分野のスキルが必要と感じている初心者の方までさまざまでした。世代としては、30代くらいの方が一番多かった印象ですが、入社してすぐという方や50代くらいの管理職層の方も、基礎知識を学びたいということで参加されていました」(中岩さん)

 今回、「実世界データ演習」には、弊社のほかベネッセコーポレーションやセイノー情報サービスなど、全5社がデータ・課題提供の面で参画しました。1企業の課題に対し、社会人と院生混合のチームを2〜3チーム結成。1チームあたり5名程度で、社会人2:院生3の割合でチームが組まれました(各企業の課題ごとに、クォリファイド・ティーチング・アシスタント(=通称QTA)と呼ばれる大学院生がサポートメンバーとして参加)。メンバーの所在地は、名古屋や東京など全国それぞれ。SNS系のコミュニケーションツールなど、さまざまなツールも活用しながら協力し合い、昨年11月〜今年2月頃にかけて、約4ヶ月間で課題に対する“分析結果”を、各チーム導き出しました(「実践データサイエンティスト育成プログラム」自体は、昨年8月〜今年3月まで)。

「社会人の方は、やはりすでに経験豊富でいらっしゃるので、各チームでは社会人の方が率先して課題に取り組みながら、学生たちはそれについていくといったフォーメーションが多く見られたようです。実データを扱うという点はもちろんですが、学生にとっては、すでに社会で働いている方と行動を共にするという意味でも、教育効果がすごく高いなと思いました。学生同士でワークをやると、どうしてもどこか甘さが出てしまいますので。ここで学んだ学生は、おそらくいろんな分野に羽ばたいていくと思いますが、まずは各分野で『この課題にはこんなデータが使えるよね、このツールが使えるよね』といった目利きができるようになってほしいですし、いずれはその分野の中核を担うようなリーダーに育っていってくれれば良いなと思っています」(中岩さん)

 では、社会人と大学院生が協力して取り組んだ「実世界データ演習」では、どんな“答え”が導き出されたのでしょうか? 詳しくは、後編で紹介します。

―インフォメーション―
「2020年度 実践データサイエンティスト育成プログラム」について
●5月7日(木)〜20日(水):出願受付
●5月下旬:書類審査
●5月28日(木)、29日(金):面接審査 ※ビデオ受講のみのコース希望の方は対象外
●6月3日(水):合格発表
●7月28日(火)18時〜:開校式・オリエンテーション・ovl説明(遠隔説明会)
●8月3日(月)〜2021年2月:受講

>「実践データサイエンティスト育成プログラム」ホームページ(外部リンク)
>「2020年度 実践データサイエンティスト育成プログラム」パンフレット(外部リンク)