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1回あたりの平均購入額は?選ぶ時の重視ポイントは?「フードデリバリーサービス」利用動向調査

フードデリバリーサービスを利用しての食事シーン

 高齢化や共働きの増加といった社会の変化、2019年10月の軽減税率適用などにより、近年、拡大基調にある出前市場。今年は新型コロナウイルス感染拡大に伴う生活様式の変化も加わり、その需要はさらなる高まりを見せています。ひと口にフードデリバリーと言っても現在さまざまなサービスが存在しますが、ユーザーはどのような行動を経て、サービスを選んだり、利用したりしているのでしょうか?

 顧客満足度ランキングを発表するoricon MEは、「フードデリバリーサービス」に関する利用実態を調査いたしましたので、その結果の一部をご紹介いたします。なお、本調査は2020年8月7日〜19日の期間、直近半年に2回以上、同じフードデリバリーサービスを利用して食事を注文した経験のある2301名(年齢は18〜84歳)から得た回答をまとめたものです。

1.「注文できるフードの豊富さ」について5割以上が重要視、年配層ほどサービスを選ぶ際に“気にする点”が多い

「サービス利用前に重要視した点」について(複数回答)、最も重視されていたのは【店舗や取り扱いジャンルの充実さ】(53.1%)で、5割以上の人が“注文できるフードの豊富さ”に注目しているようです。次いで、注文完了までのスムーズさなどに関連した【注文のしやすさ】(45.2%)、【アプリ・サイトのページの見やすさ・使いやすさ】(43.9%)、【支払い方法の充実さ】(40.9%)、【キャンペーン・クーポン・ポイントの充実さ】(35.6%)の順に票数を多く集めました。

 年代別に見ると、上位に挙げられた【支払い方法の充実さ】について、「10・20代」は業界全体よりも−10pt以上の差があり、一方で「60代以上」は業界全体よりも10pt以上高いという結果に。支払いのしやすさについては、若者層ほど重視せず、年配層ほど重視している様子が見て取れます。

 なお、「60代以上」は【支払い方法の充実さ】以外にも、【店舗や取り扱いジャンルの充実さ】、【注文のしやすさ】、【店舗情報のわかりやすさ】、【注文内容の確認のしやすさ】、【配達時間の正確さ】、【配達の丁寧さ】の項目が業界全体よりも10pt以上高く、新興のサービスということもあってか、年配層のほうがサービスを選ぶ際に気にするポイントが多いようです。

利用前に重視した点 上位10項目(複数回答)

重視したポイント

2.検討時には「ネットの口コミ」など、第三者よるサービスの評判を参考に

「サービスの検討時に見た情報」の問いでは(複数回答)、【インターネットの口コミ】(21.1%)が最も高く2割超。次いで、【比較サイト】(13.9%)、【Web広告・バナー・記事】(13.3%)が続き、実際にそのサービスを利用したことがある人の声や評判などを参考にする傾向があるようです。なお、年代別に見ると、「10・20代」は【友人・知人からの紹介】、「30代」は【比較サイト】、「60代以上」は【Web広告・バナー・記事】を見た人が、業界全体と比べるとそれぞれ+5ptとなっています。

検討時に見た情報 上位5項目(複数回答)

検討時に見た情報

3.サービス利用の決め手は「お得に賢く」、年配層ほどその傾向が顕著

 前出した「サービス利用前に重要視した点」では、【店舗や取り扱いジャンルの充実さ】が最も重視されていましたが、実際にサービスの「利用を決めた理由」の問いでは(複数回答)、上位3項目に【ポイントが貯まるから】(33.6%)、【ポイントが使えるから】(29.8%)、【キャンペーンやクーポンなどお得な情報が多いから】(24.2%)が挙げられ、自身にとって「お得」に「賢く」使えるサービスを選んでいる傾向にあることがうかがえます。

 その傾向は、年配層ほど強く表れており、「50代」「60代以上」は【ポイントが貯まるから】の項目では、業界全体と比べ+5pt。【ポイントが使えるから】の項目では、「50代」は+5pt、「60代以上」は+10pt以上高くなっています。この結果は、年配層ほど1つのフードデリバリーサービスに執着し、あまり他のサービスにスイッチングしない傾向がある、とも考えられそうです。一方で、「10・20代」は【ポイントが貯まるから】【ポイントが使えるから】の項目がともに業界全体よりも−5ptとなっています。

利用を決めた理由 上位5項目(複数回答)

利用を決めた理由

4. 注文デバイスは「スマホ」が最多、Webサイトよりも専用アプリの利用が多い

「注文時に最もよく利用している機器」の設問では(単一回答)、【スマートフォン】を介しての注文が、Webサイト、iPhoneアプリ、Androidアプリを含め7割以上(70.3%)という結果に。とくに各サービスの専用アプリを利用している人が多く、iPhoneアプリ、Androidアプリの利用者を合計すると、その値は約6割(57.0%)におよびます。

 デバイス別に見ていくと、スマホに次いで、【パソコン(ノートPC:15.1%、デスクトップPC:11.2%)】(26.3%)、【タブレット(iOSアプリ:1.3%、Androidアプリ:1.0%、Webサイト:0.9%)】(3.2%)、【携帯電話(スマートフォン以外)・PHS】(0.2%)の順で多用されているようです。

注文時に利用している機器(単一回答)

注文時に利用している機器

5. 1回あたりの平均利用額は「2000円〜3000円未満」が多い 複数人での利用が多い傾向か

「1回あたりの平均購入金額」についての設問(単一回答)では、割合が高い順に並べると上位3項目は、【2000円〜2500円未満】(21.2%)、【3000円〜3500円未満】(18.7%)、【4000円以上】(16.8%)という結果に。1回あたりの注文に、ある程度まとまった額を支払っている様子がうかがえる一方で、低額の【1000円未満】が1.5%、【1000円〜1500円未満】が10.3%に留まっているところを見ると、フードデリバリーサービスは複数人で食事をする際に利用する人が多いことが想像されます。また、1人での食事で利用するにしても、少し単価の高い食卓となっていることが考えられます。

 なお、1000円単位で金額(項目)をくくって見ていくと、上位から【2000円〜3000円未満(2000円〜2500円未満:21.2%、2500円〜3000円未満:10.3%)】(31.5%)、【1000円〜2000円未満(1000円〜1500円未満:10.3%、1500円〜2000円未満:16.6%)】(26.9%)、【3000円〜4000円未満(3000円〜3500円未満:18.7%、3500円〜4000円未満:4.4%)】(23.1%)、【4000円以上】(16.8%)、【1000円未満】(1.5%)となっています。

1回あたりの平均購入金額(単一回答)

1回あたりの平均購入金額

【2020年 オリコン顧客満足度(R)調査 「フードデリバリーサービス」利用実態調査 概要】

●回答者数:2301名
(10・20代:583名/30代:669名/40代:491名/50代:352名/60代以上:206名)
●調査期間:2020年8月7日〜19日
●調査対象者:直近半年に2回以上、同じフードデリバリーサービスを利用して食事を注文した人
(性別:指定なし/年齢:18〜84歳/地域:全国)
●方法:インターネット調査

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