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MVNOの利用率、世代によって特徴異なる/オリコン顧客満足度(R)調査 格安SIM/格安スマホ(MVNO)利用動向レポートを発表

格安SIM/格安スマホのイメージ写真

 “見えない満足を情報化する”をコンセプトに、第三者の立場で顧客満足度調査を実施するoricon MEは、昨年12月1日に全国2274名を対象にした「格安SIM/格安スマホ」の満足度調査(調査期間:2020年7月14日〜8月3日)を発表しました。今回は「格安SIM/格安スマホ」の満足度調査データをもとに、各年代別の利用実態について結果を報告いたします(※2020年12月発表「格安SIM/格安スマホ」満足度ランキングの調査設問より抜すいしたもの)。

 昨年から今年にかけて発表された携帯キャリアや、サブブランドの新料金プラン発表に伴い、MVNO(※)事業者も新料金プランを発表。新しい環境での生活が始まる時期でもある今、話題性も含めて本当に自分に合ったサービスへの乗り換えを検討している人も多いのではないでしょうか。今回は既存のMVNOサービスを対象に、実際の各年代ごとの利用者の声から特徴を振り返ります。

※移動通信サービスに関わる自社回線網や無線局を自社で開設、保有、運営していない「仮想移動体通信事業者」

1.「格安SIM」利用率【LINEモバイル】が最多の22.2%、世代別に見ると10・20代は【LINEモバイル】、60代以上は【イオンモバイル】が最多に

「格安SIM」の回答者(過去1年以内に、MVNOの公式サイトまたは店舗でSIMカードを新規(MNP含む)で購入し開通設定を行ったユーザー)1349人に「利用している(していた)SIMブランド」を聴取したところ、全体では【LINEモバイル】(22.2%)が最も多く、次いで【mineo(マイネオ)】(16.5%)、【イオンモバイル】(13.0%)が続きました。

格安SIM 各サービス利用率(全体・年代別)

オリコン顧客満足度 格安SIM調査 各サービス利用率(全体・年代別)

 【LINEモバイル】は年代別でも「10・20代」(40.1%)、「30代」(26.6%)、「40代」(22.0%)、「50代」(17.5%)で利用率が最も多い結果に。年代が低くなるにつれて利用率は高くなり、「10・20代」では4割を超えています。実際の【LINEモバイル】利用者からは、「(親権者の同意が必要だが)未成年でも18歳以上ならば契約可能な点が良かった(10代・女性)」、「SNSカウントフリーが良かった(20代・男性)」、「LINEポイントが貯まりやすい(20代・女性)」「安くてLINEフリープランなどわかりやすい(20代・女性)」など、LINEモバイルならではのサービスに対する声が寄せられていました。

 一方で【イオンモバイル】は年代が高くなるにつれて利用率が高くなり、年代別「60代以上」では利用率が最多となりました。実際の【イオンモバイル】利用者からは、「近くのイオン店頭で手続きできる(60代・男性)」、「わからない事を的確に処理して頂いた(60代・男性)」、「高齢者に対しても丁寧な対応だった(60代・男性)」など、生活圏内にある実店舗への安心感が伺える声が寄せられています。

 なお、【LINEモバイル】は3月末で新規受付終了(※)となりますが、4月以降ソフトバンクの新料金サービス【LINEMO】の利用を検討している人も多いかと思います。これまでの同サービス利用者が良かった点として挙げていたサービスが継承されるのか、【LINEMO】の新サービスを確認する際に、参考にしてみていただければと思います。

※【LINEモバイル】は3月31日午前11時に新規申込受付を終了。既存会員は以降も引き続き継続利用可能

2.「格安スマホ」利用率【OCN モバイル ONE】が最多の22.5%、世代別に見ると10・20代は【LINEモバイル】、60代以上は【J:COMモバイル】が高い傾向に

「格安スマホ」の回答者(過去1年以内に、MVNOのSIMカードとSIMフリー端末を新規(MNP含む)で同時購入して開通設定を行ったユーザー)925人のサービス利用率を調査したところ、全体で見ると【OCN モバイル ONE】が22.5%と最多となり、次に【イオンモバイル】(15.2%)、【LINEモバイル】(12.6%)などが続く結果となりました。

格安スマホ 各サービス利用率(全体・年代別)

オリコン顧客満足度 格安スマホ調査 各サービス利用率(全体・年代別)

 年代別「10・20代」では【LINEモバイル】が30.9%ととくに利用率が高い結果に。一方、「30代」「40代」「50代」「60代以上」では、【OCN モバイル ONE】が、各年代20%以上の割合でとくに利用されていることがわかりました。

 実際の利用者からは、「通話中の電波が不安定なんじゃないかと思っていたけど、思っていたより音声がクリアで電波も安定していて感動した(30代・女性)」「申し込みはオンラインにて簡単にできた。料金体系はシンプルなので選択しやすいと思った(40代・男性)」「チャットでの問い合わせは便利だった(50代・女性)」「加入手続きが簡単でした。すぐ書類等も送られてきて完了までの時間がはやかった(60代・男性)」などの声が寄せられました。なお【OCN モバイル ONE】も4月1日スタートとなる新料金プランを発表。こちらも要注目です。

 また、「60代以上」で2番目に利用率の高かった【J:COM MOBILE】では、実際の利用者から「自宅で最終的な設定ができるようになっていたので、ほかの人へ気兼ねなく質問などができて良かった。(60代・女性)」「ケーブルテレビ契約をしているので、自宅訪問で初期設定等をしてもらったのが良かった(60代・女性)」「ケーブルテレビ、インターネット契約者にとってはセットでの契約(スマホ含む)が低額(60代・男性)」など、ケーブルテレビとのセット契約や自宅での初期設定サービスに関する声が多く寄せられていました。申込みからサポートまでオンラインで受付するプランとは対象的な“細やかな対応”が見受けられます。

3.利用前の重視点、「加入手続きの容易さ」では10・20代の割合が多く、「料金プランの分かりやすさ」では60代の割合が多い傾向に

「格安SIM」「格安スマホ」を選ぶ際(利用する前)に「重視した項目」(複数回答)では、それぞれで特徴のある結果となりました。

格安SIM(SIM単体)利用前に重視した点(複数回答/上位10項目)

オリコン顧客満足度 格安SIM調査 利用前に重視した点

格安スマホ(SIM+端末セット購入)利用前に重視した点(複数回答/上位10項目)

オリコン顧客満足度 格安スマホ調査 利用前に重視した点

「格安SIM」では、割合が高い順に「料金プランの分かりやすさ」(53.8%)、「料金に対するサービスの質」(41.4%)、「加入手続きの容易さ」(35.2%)、「加入キャンペーン」(30.2%)となりましたが、「格安スマホ」では、「料金プランの分かりやすさ」(51.6%)、「加入キャンペーン」(35.1%)、「料金に対するサービスの質」(34.8%)、「端末商品の性能や価格帯」(28.2%)となりました。「格安SIM」で2番目に割合が高かった「加入手続きの容易さ」は「格安スマホ」では6番目となり、違いが垣間見られる結果となりました。

 それぞれ年代別で見てみると、「格安SIM」で重視した割合が一番高かった「料金プランの分かりやすさ」では、10・20代、30代、40代はほぼ半数だったのに対し、50代、60代以上は約6割。「料金プランがいろいろあり、自分の使いやすいプランが選べた(60代・男性・IIJmio)」「自分に合ったプランがあった(50代・女性・イオンモバイル)」など、“格安”とはいえ毎月発生するコストだけに、プランのわかりやすさや自分に合ったプランかどうかを重視したいコメントが見受けられました。

「格安SIM」で3番目に重視した割合が高かった「加入手続きの容易さ」では、10・20代が最も高く42.3%。年代が上がるにつれ重視の割合が下がり、60代以上では29.1%と、10・20代とは13.2%の開きがありました。実際の利用者からは「大手携帯会社から乗り換える際の手続きがとても簡単だった(20代・女性・LINEモバイル)」などのコメントが見られ、他社からの乗り換えのスムーズさも重視するポイントのようでした。

 一方の「格安スマホ」も「料金プランの分かりやすさ」や「加入手続きの容易さ」は「格安SIM」と同じような傾向が見られましたが、年代別で違いが見られたのは「格安スマホ」だけの項目である、4番目に重視した割合が高かった「端末商品の性能や価格帯」。10・20代が25.0%、30代が20.2%だったのに対して、40代29.3%、50代31.1%、60代以上29.4%と少し開きのある結果となりました。実際の利用者からは「新しいスマホの機種代が安いのに性能がよくてよかった(50代・女性・LINEモバイル)」など、端末の性能と価格帯に満足しているコメントが集まりました。

>【ダウンロード】本リリースのPDFファイルはこちら(外部リンク)

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>格安SIM/格安スマホランキング 満足度総合TOP5(外部リンク)
>格安SIM満足度1位は「BIGLOBEモバイル」、格安スマホは「イオンモバイル」が首位 選定時に重視されているポイントとは?

【調査概要】格安SIM/格安スマホ利用実態レポート
(2020年 オリコン顧客満足度(R)調査「格安SIM/格安スマホ」ランキング調査設問より抜すい)

●サンプル数:「格安SIM」1349人/「格安スマホ」925人
●調査企業数:「格安SIM」34社/「格安スマホ」22社
●定義:移動通信サービスに関わる自社回線網や無線局を自社で開設、保有、運営していない「仮想移動体通信事業者(MVNO)」のうち、移動体通信事業者(MNO)から借り受けたネットワークを使い、自社ブランドとしてSIMカードを提供する通信サービス事業者(格安SIM)、SIMカードとSIMフリー端末のセット商品を提供する通信サービス事業者(格安スマホ)
●調査期間:2020年7月14日〜8月3日
●調査対象者:18〜84歳の人(性別問わず)で、以下すべての条件を満たす人
(1) 過去1年以内に、MVNOの公式サイトまたは店舗でSIMカードを新規(他社からの乗り換え含む)で購入し開通設定を行った人(格安SIM)、SIMカードとSIMフリー端末を新規(他社からの乗り換え含む)で同時購入し開通設定を行った人(格安スマホ)
(2)1ヶ月以上継続して利用している/利用したことがある人
(3)サービス選定に関与した人
(4)料金を把握している人 ただし、法人での利用は対象外とする