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「データサイエンス」が今後のビジネスの要となる理由 日本では導入スピード・人材育成に課題も

2.名古屋大学では、約6年前からデータサイエンス関連の人材育成に注力

 名古屋大学では、データサイエンティストなど、社会的な価値の創造を担う人材育成を目指し、約6年前から「実世界データ循環学リーダー人材養成プログラム」という、博士課程教育リーディングプログラムを展開。これは、「受け手の望み」を絶えずくみ取りながらもの作りに反映させていくことで、本当に社会が求める製品・サービスを世に送り出すことができる(=循環に気付き、循環を築く)という考えのもと、「取得」「解析」「実装」という3つの機能を総合的に理解するプログラムとなっています。

3.名古屋大学の「実世界データ循環学リーダー人材養成プログラム」が目指すビジョン

4.「実世界データ循環学リーダー人材養成プログラム」で学ぶ“3つの機能”

 こういった知見を持つ名古屋大学が、同プログラムをトレースする形で昨秋スタートさせたのが、冒頭で紹介した「実践データサイエンティスト育成プログラム」。かねてから実施してきた「実世界データ循環学リーダー人材養成プログラム」と同様に、データサイエンティストの育成を目指す取り組みですが、大きな違いとしては、前者はデータを社会的価値に変えることのできる高い専門的知識を持った博士リーダー人材を養成することを目的としているのに対し、この「実践データサイエンティスト育成プログラム」では、既存のさまざまなデータツールなどを活用し社会のデータ課題を解決するためのスキルを身に着けることを目的としている点です。

 今回のプログラムでは、名古屋大学と岐阜大学の大学院生を対象とした「先進データ科学履修プログラム」と、社会人を対象にした「産業データ科学履修プログラム」の2種類があります。同プログラムの目玉である、産学連携の「実世界データ演習(プラティカム)」(実世界データ演習については、名古屋大学のほか、岐阜大学、三重大学、広島大学も各大学で展開)は、大学院生と社会人がそれぞれチームを組み、各企業の実際のデータを用いた課題に取り組んでいくもので、この「実世界データ演習」に、データ提供という形で弊社も参加しました。