NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューションは、小売の全面自由化や電力先物取引の開始など、ここ最近、目まぐるしい動きを見せている電力業界を対象に顧客ロイヤルティを測る指標であるNPS(R)のベンチマーク調査を実施。NPSランキング1位には、「楽天でんき」が輝いたほか、調査データからは、電力会社の切り替えや、契約プランを見直した利用者のNPS(R)が高い傾向にあることが読み取れる結果となった。
◆期待値と満足度のギャップが大きかったのは「利用料金の適切さ」
NPS(R)とは、Net Promoter Score(ネットプロモータースコア)の略で、自社サービス・商品に対する顧客からの総合的な評価やロイヤルティ(信頼や愛着)を計る指標。「親しい知人や友人に、自分が利用したサービス・商品をどのくらい薦めたいか?」を尋ねて数値化するもので、今回の調査では、各電力会社の契約者が知人や友人にその電力会社をどのくらい薦めたいかがわかる。
今回、調査対象となった電力会社9社のうち、“友人や知人に最もオススメしたい電力会社”として、NPS(R)ランキング1位となったのは【楽天でんき】(−18.7ポイント)。最下位の企業との差は51.3ポイントとなった。なお、全9社のNPS(R)平均は−44.8ポイントだった。
17の要因別に満足度と重要度を分析したところ、重要度が高いにもかかわらず満足度が伸びなかった(重要度と満足度のギャップが大きかった)項目は、「利用料金の適切さ」、次いで「長期契約者向けの割引・特典の充実さ」、「プランや料金体系のわかりやすさ」となった。NPS(R)ランキング1位となった楽天でんきは、「利用料金の適切さ」や「プランや料金体系のわかりやすさ」といったギャップ項目での評価が業界トップクラスだったほか、「ポイントプログラムの充実度」で、特に満足度が高い結果となった。
◆「会社切り替え」「契約プランの切り替え」によって、顧客ロイヤルティは高くなる傾向に
電力会社の変更、または、同じ会社内での契約プラン変更の経験別によるNPS(R)を分析したところ、「電力会社を変更したことがある」と回答した契約者は−35.8ポイントとなり、「いずれも変更したことはない」と回答した契約者の−59.7ポイントを大きく上回る(29.3ポイント差)結果となった。また、同一の電力会社内で契約プランを変更した場合でも、NPS(R)は−38.7ポイントとなり、高い傾向にあることがわかった。
※NPS(R)は、ベイン・アンド・カンパニー、フレッド・ライクヘルド、サトメトリックス・システムズの登録商標です
<調査概要>
●調査対象企業:auでんき(KDDI)、ENEOSでんき(JXTGエネルギー)、J:COM電力(ジュピターテレコム)、大阪ガスの電気(大阪ガス)、関西電力、ずっとも電気(東京ガス)、ソフトバンクおうちでんき(SBパワー)、東京電力エナジーパートナー、楽天でんき(楽天エナジー)
※関東(東電管内)、関西(関電管内)で電力小売事業を展開している事業者
●調査対象者:インターネットリサーチモニターのうち上記電力会社と契約している回答者
●調査方法: NTTコム リサーチによる非公開型インターネットアンケート
●調査期間: 2020年5月14日〜5月19日
●有効回答者数: 4002名
<回答者の属性>
[性別]男性:55.1%、女性:44.9%
[年代]20代以下:6.4%、30代:15.3%、40代:20.3%、50代:20.5%、60代以上:37.5%