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コロナ禍の夏休み、約7割が「旅行の予定なし」 〜博報堂生活総合研究所調査

 博報堂のシンクタンク・博報堂生活総合研究所は、首都圏・名古屋圏・阪神圏に暮らす20〜69歳の男女1500名を対象に、4回目となる「新型コロナウイルスに関する生活者調査」を実施(7月2日〜6日)し7月16日、結果を発表した。現在の「生活自由度」は平均61.4点(感染拡大前の普段の状態を100点と仮定しての度合い)となり、前6月の数値と比べると4.4ポイント上昇。6月19日に都道府県外への移動制限が解除されたこともあり、4月から毎月発表する同調査において最高値となった。少しずつ日常を取り戻しつつあるものの、きたる夏休みの過ごし方には慎重な姿勢をみせており、「今夏の旅行や外出予定」については約7割(69.8%)の人が【とくに国内外の旅行・遠方へ外出する予定はない】と回答した。

(出典:博報堂生活総合研究所「第4回 新型コロナウイルスに関する生活者調査」)

(出典:博報堂生活総合研究所「第4回 新型コロナウイルスに関する生活者調査」)

「生活自由度」については、性別、年代別、エリア別と全セグメントで数値が上昇。その理由としては、日常生活の変化が影響していそうだ。「行動変化度」指標を見ると、【外出を控え、家の中でできる娯楽を楽しんでいる】(71.1%/前月比―6.2ポイント)、【外出を控え、インターネット通販や出前を利用するようにしている】(45.9%/前月比―5.2ポイント)、【できるだけテレワークをするようにしている】(30.0%/前月比―6.7ポイント)と、とくに屋内型の行動の減少が目立っており、徐々に進む「家から外へ」の行動のシフトが生活にゆとりを与えているようだ。

(出典:博報堂生活総合研究所「第4回 新型コロナウイルスに関する生活者調査」)

(出典:博報堂生活総合研究所「第4回 新型コロナウイルスに関する生活者調査」)

 その一方、新型コロナウイルスに関しては依然として予断を許さない状況。多くの人が従来通りの夏休みは過ごせないと考えているようだ。「今夏の旅行や外出予定」の回答を詳しく見ると(複数回答)、【日本を離れて海外旅行・外出する予定がある】はわずか1.0%。居住地周辺、隣接県外への外出を予定している人も、それぞれ2割弱にとどまっている(【居住する都道府県か隣接する都道府県へ、国内旅行・外出する予定がある】17.9%、【居住する都道府県や隣接する都道府県を越えて、国内旅行・外出する予定がある】16.2%)。

(出典:博報堂生活総合研究所「第4回 新型コロナウイルスに関する生活者調査」)

(出典:博報堂生活総合研究所「第4回 新型コロナウイルスに関する生活者調査」)

 そういったなか、多くの人が夏休みを迎えるであろう8月、人々は生活の中でどの部分に注力したいと考えているのか? 複数回答で尋ねると、TOP3は【睡眠・休息】(85.7%)、【健康】(83.3%)、【家族との交流】(71.9%)。男女別で見ると、【健康】(男性:78.1%、女性:88.5%)や【家族との交流】(男性:66.4%、女性:77.6%)、【家事】(男性:61.3%、女性:81.5%)など、全24項目中16項目で女性が男性を上回った。男性は【趣味・遊び】(男性:68.3%、女性:62.8%)、【仕事】(男性:61.5%、女性:51.1%)などの項目で、女性よりも高い数値となっている。また、年代別では【趣味・遊び】や【貯蓄・投資】、【エンターテインメント・コンテンツの鑑賞・閲覧】、【友人・恋人との交流】など、幅広い項目で若年層の数値が高く出ている一方、中高年層では低い結果となっている。

(出典:博報堂生活総合研究所「第4回 新型コロナウイルスに関する生活者調査」)

(出典:博報堂生活総合研究所「第4回 新型コロナウイルスに関する生活者調査」)