スマートフォンやタブレットの普及などにより、拡大を続ける電子書籍市場。なかでも高いシェアを誇るジャンルが「コミック」で、インプレス総合研究所が発表した『電子書籍ビジネス調査報告書2020』によると、2019年度の同ジャンルにおける市場規模は、前年比で602億円増の2989億円、電子書籍市場のおよそ8割を占めた。
とりわけ「マンガアプリ」は、電子コミックの販売・配信において主流のサービスとなっており、近年はスマホゲームと同様に、空いた時間に手軽に楽しむことができるサービスとして定着している。今春にはコロナ禍の自粛要請により、マンガアプリの需要が拡大。各社が、無料作品の配信を強化し話題となった。
そのような状況のなか、顧客満足度調査を行うoricon MEでは「マンガアプリ」について調査を初めて実施。アプリの特色に応じて、「総合型(主に出版社を横断したマンガをWEB上で配信・販売しているサービス)」、「オリジナル(主にWEB限定作品や、インディーズ作家によるマンガを、WEB上で配信・販売しているサービス)」、「出版社公式(出版社が独自でマンガを配信・販売しているサービス)」の3つのランキングを発表した。
結果、「総合型」では【ブックライブ】(72.24点)、「オリジナル」は【pixivコミック】(73.18点)、「出版社公式」は【ゼブラック】(74.69点)がそれぞれ満足度総合1位を獲得。ランキング結果とそれぞれのサービスの特徴から、満足度の高さにつながったポイントを見ていく。
>2020年 マンガアプリランキング「総合型」「オリジナル」「出版社公式」満足度総合TOP3はこちら
本調査では週に1回以上、電子マンガサービスを閲覧している全国の15〜84歳までの利用者を対象に、利用するサービスについて回答を得た。調査期間は、2020年6月29日〜7月3日。ランキングを構成する評価項目は「アプリの使いやすさ」「作品の充実さ」「無料作品の充実さ」「キャンペーン・ポイントの充実さ」の4つがあり、これらは全17の設問から成り立っている。なお、ランキングは「満足度総合」「評価項目別」のほか、部門別(「男女別」「年代別」)の結果も発表している。
2020年 マンガアプリ 総合型 満足度総合TOP3
総合順位 |
サービス名 |
総合得点 |
1位 |
ブックライブ |
72.24 |
2位 |
コミックシーモア |
72.05 |
3位 |
まんが王国 |
71.05 |
3位 |
LINE マンガ |
71.05 |
※総合型:主に出版社を横断したマンガをWEB上で配信・販売しているサービス
>「マンガアプリ 総合型」4位以下の結果はこちら(外部リンク)
2020年 マンガアプリ オリジナル 満足度総合TOP3
総合順位 |
サービス名 |
総合得点 |
1位 |
pixivコミック |
73.18 |
2位 |
GANMA!(ガンマ) |
72.16 |
3位 |
comico(コミコ) |
70.91 |
※オリジナル:主にWEB限定作品や、インディーズ作家によるマンガをWEB上で配信・販売しているサービス
>「マンガアプリ オリジナル」4位以下の結果はこちら(外部リンク)
2020年 マンガアプリ 出版社公式 満足度総合TOP3
総合順位 |
サービス名 |
総合得点 |
1位 |
ゼブラック |
74.69 |
2位 |
マンガMee |
74.47 |
3位 |
マガポケ |
73.10 |
※出版社公式:出版社が独自でマンガを配信・販売しているサービス
>「マンガアプリ 出版社公式」4位以下の結果はこちら(外部リンク)
クーポンガチャなどお得なキャンペーンが人気の【ブックライブ】
「マンガアプリ 総合型」ランキング総合1位を獲得した【ブックライブ】は、キャンペーン・ポイントの充実さやアプリの使いやすさが支持されるポイントとなった。
無料作品の数が豊富な点や、毎日回せるクーポンガチャ、Tポイント連携などが、お得感を求めるユーザーの心を掴み、実際に回答者からは「無料でも読める作品が多く、1つひとつの読めるページが多いので、無料でも充分楽しめる」(20代・女性)、「キャンペーンが多く、クーポンも手に入れやすいので、合わせると凄まじいまでの値引きができる」(20代・男性)、「インストールしたその日に50%オフのクーポン配布は非常に有り難かった」(30代・男性)などのコメントが寄せられた。
使いやすさの面では、購入した作品がシリーズごとにまとまって表示される本棚の機能が好評。自身で新しい本棚を作成し、ジャンルごとに整理できるなどカスタマイズ機能も充実している。そのほか、アプリの操作性や視認性の高さも評価された。