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プロ野球満足度、ソフトバンク4年ぶり首位獲得の理由とは

右肩上がりのライオンズ、応援することで得られる「総合生活満足・幸福感スコア」はNo.1

 総合満足度2位は、【広島東洋カープ】(スコア平均値:71.98)。昨年までの3年連続1位から順位を落とす形となったが、その3年間(16年、17年、18年シーズン)は連続でリーグ優勝を果たしていた。

 今回の調査対象にあたる19年シーズンのカープはセ・リーグ4位という結果で、「逆に言えば、(チームの成績に左右されず)総合満足度の高水準は維持されている」と鈴木教授。「丸(佳浩)選手のFA移籍による影響が心配されたが、鈴木誠也選手、菊池涼介選手らの人気・主力選手が健在であること、球場の要素を含めたファンサービスに対する高評価が、高い満足度を維持する主要因であると考えられる」とコメントしている。

 サービス品質「球場」を構成する設問群では、最も多く1位を獲得。ファンを飽きさせないグッズ戦略でも知られるカープだが、「ユニホーム」「ロゴ」「グッズ」の設問でも全球団のうち、最高評価となっている。

カープファンのコメント(一部)
●やっぱり地元の誇り。カープのない広島県は想像出来ない。(2〜5回広島県・男性/55〜59歳)
●近年の好成績に満足している(福岡県・男性/35〜39歳)
●ファンの一体感が素晴らしい。(和歌山県・男性/45〜49歳)
●選手コラボのグッズやフードメニューが多く、毎シーズン楽しめる。(広島県・女性/25〜29歳)
●球場に行きたくなる。(山口県・男性/50〜54歳)

 続く総合満足度3位には、17年調査(16年シーズン対象)以降、右肩上がりで順位・スコア平均値を伸ばしている(17年:10位/57.55 → 18年:7位/63.39 → 19年:3位/70.95)【埼玉西武ライオンズ】(スコア平均値:71.38)がランクインした。

 17年シーズンに3年連続のBクラスを脱し、18年、19年シリーズと2年連続でパ・リーグ優勝。ファンの期待に応える反面、2年連続で日本シリーズ進出を逃すなど、ドラマチックな展開を見せているライオンズ。鈴木教授は、決定打に欠ける部分があと一歩「総合満足度が伸びない要因と考えられる」と考察する。

 一方で現在、自然豊かな周辺環境と半ドームという特性を活かした同球団ならではのボールパーク化を目指し、メットライフドーム周辺の大規模改修を展開中(18年6月〜21年3月予定)で、それらが「ファンサービスの高評価につながっている」と鈴木教授。改修はまだ継続中であり、「今後のさらなるファンサービスの向上が期待される」(鈴木教授)と話している。

 たとえば、「場内の温度」の設問では今回の調査で最下位となっているが、改修によって、そういった部分も改善されるかもしれない。なお、近年さまざまな点で変化・進化するライオンズは、チームの応援を通じたファンの生活満足度・幸福感の度合いの観点から調査すると、全球団のうち最も高い総合生活満足度・幸福感スコア(70.61)を記録している。