ウォーターサーバーの継続利用「価格」より「おいしさ」重視 調査結果を発表

 2011年の東日本大地震を契機に高成長を持続してきたウォーターサーバー関連事業だが、近年は伸長率が鈍化し、成熟期を迎えつつあるようだ。さらに近年では統合や提携を含めた事業再編が起きており、多くの企業で商品の値上げが実施されている。今後は穏やかな市場拡大が見込まれている中で、顧客がウォーターサーバーに求めるものは何だろうか。今回は実際にウォーターサーバーを利用したことのある男女3398人に調査を行い、回答結果をまとめた。

【調査結果概要】
・検討時は「水の価格」「レンタル費用」「おいしさ」が重視される傾向に
・アクアクララ、富士の湧水ユーザーは「友人・知人からの紹介・案内」が多い
・申し込み経路は「販促イベント会場」が最多
・選んだ決め手は「申し込み特典」「水のおいしさ」「手続きのしやすさ」
・フレシャス、コスモ、うるのんユーザーの3割は他社からの切り替え
・継続利用で重視するのは「水のおいしさ」

「水の価格」「レンタル費用」「おいしさ」が重視される傾向に

 ウォーターサーバーの利用を検討する際に重視した点では、「水の価格」「サーバーレンタル費用」「水のおいしさ」が全体的に重視されやすいということがみられた。

 特に20、30代では「水の価格」「サーバーレンタル費用」に次いで「サーバーのデザインの良さ」が重視される傾向にある。また、年代が上がるにつれ「水の安全性に関する情報公開」の重視度が高くなる傾向にあることも分かった。

 企業別に見ると、サントリー、アクアクララ、TOKAI、富士の湧水、うるのんユーザーは「水のおいしさ(味が良い)」を挙げている割合が高く、TOKAI(「水のおいしさ」と同率)、クリクラ、ウォーターワン、アルピナユーザーは「水の価格」、グッドデザイン賞を受賞したフレシャスユーザーは「サーバーデザインの良さ」を挙げることが多かった。

 コスモウォーターを選んだユーザーは「ウォーターボトルの交換しやすさ」を最も重視する傾向にあり、これはサーバー下部にボトルの交換箇所があるためと考えられる。

アクアクララ、富士の湧水ユーザーは「友人・知人からの紹介・案内」が多い

 ウォーターサーバーの利用前に参考にした情報は、「販促イベントからの紹介・案内」「比較サイト」「インターネットの口コミ」の順に参考にされている。さらに、他の年代と比べて20代はSNSから情報を得る傾向がみられた。

 企業別で見ると、特にフレシャス、TOKAI、ウォーターワン、コスモ、プレミアム、うるのんユーザーは全体の傾向と同様に「販促イベントからの紹介・案内」が多かったのに対し、アクアクララ、富士の湧水ユーザーは「友人・知人からの紹介・案内」を最も参考にしていた。

申し込み経路は「販促イベント会場」が最多

 ウォーターサーバーの申し込み経路は「販促イベント会場で申し込んだ」が最も多い。販促イベントで紹介・案内され、その流れで申し込んだ人が多いとみられる。

 企業別でも、フレシャス、TOKAI、ウォーターワン、コスモ、プレミアム、うるのんユーザーは「販促イベント会場で申し込んだ」が最も高い。

選んだ決め手は「申し込み特典」「水のおいしさ」「手続きのしやすさ」

 ウォーターサーバーを選んだ決め手は、「申し込み特典(キャンペーン)があったから」「水がおいしいから」「申し込み手続きがしやすかったから」が多かった。

 20、30代は特に「申し込み特典(キャンペーン)」を決め手にしている傾向がある。なお、3世帯以上の家庭では「水がおいしいから」が最も高い。

 企業別ではTOKAI、クリクラ、ウォーターワン、プレミアム、うるのんユーザーは「申し込み特典(キャンペーン)があったから」、サントリー、アクアクララ、アルピナのユーザーは「水がおいしいから」、フレシャス、コスモのユーザーは「ウォーターボトルの交換や保管がしやすいから」が一番の決め手となっている 。

フレシャス、コスモ、うるのんユーザーの3割は他社から切り替え

 切り替えを行ったユーザーのうち、フレシャス、コスモ、うるのんユーザーの3割以上は他社から切り替えている。

継続利用で重視するのは「水のおいしさ」「水の安全性」「水の価格」

 継続して利用するうえで重視していることは、「水のおいしさ(味が良い)」が最も多く、次いで「水の安全性(衛生面・鮮度・採水地など)」「水の価格」が挙げられた。検討時では価格面を重視する声が多かったが、継続利用の際には水のおいしさや安全性を重視する声のほうが多く挙げられる結果となった。

 その一方、20代は「サーバーレンタル費用」のみならず「電気代」「水の価格」も中高年層より重視する傾向がみられるため、年代が若いほどより価格にシビアであると考えられる。

 企業別では、コスモ、アルピナ以外のウォーターサーバー会社のユーザーは、継続するうえで「水のおいしさ(味が良い)」が最も重視されやすいという結果になった。

 サントリー、アクアクララ、TOKAI、富士の湧水、ウォーターワン、プレミアムユーザーは「水の安全性」、コスモ、アルピナユーザーは「水のおいしさ」、クリクラ、うるのんユーザーは「水の価格」が2番目に重視されている 。

【各メーカーの表記略称について】
TOKAI…TOKAIおいしい水の宅配便
コスモ…コスモウォーター
プレミアム…プレミアムウォーター
アルピナ…アルピナウォーター
フレシャス…FRECIOUS(フレシャス)
サントリー…サントリー天然水ウォーターサーバー

【調査概要】
調査時期:
2018/01/26〜2018/01/31
回答者:20歳以上の男女3398人
調査地域:全国
条件:
以下の条件を満たしている人を対象者とする。
現在、家庭用ウォーターサーバー(ウォーターディスペンサー)をキャンペーン期間を除き2ヶ月以上利用を継続して利用しており、かつ家庭用ウォーターサーバー(ウォーターディスペンサー)の選定に関与した人

回答者属性:
男女比:男性42.6% 女性57.4%
年代比:20代 5.9% 30代 26.0% 40代 32.5% 50代 23.8% 60代以上 11.8%

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