中長期的な人口減少および少子化、晩婚化などの影響で、近年、縮小傾向にあるウエディング市場。若い世代においては結婚式や披露宴を行わないカップルも増えているが、その一方で「ゼクシィ 結婚トレンド調査2019調べ」によると、挙式披露宴における招待客1人あたりの費用は年々増加している。そうしたなか、2000年代に入って市場シェアを伸ばしているのがハウスウエディングだ。
そこには、同世代の結婚観や価値観の多様化により、従来の形式にこだわらない、それぞれのスタイルで挙式・披露宴の意味やおもてなし志向をカタチにすることへの積極的なモチベーションを持つ層が増えていることが示されている。顧客満足度調査を行うoricon MEでは、6回目となる「ハウスウエディング」調査を実施。満足度総合ランキング1位には、全国で直営店型のハウスウエディング事業等を展開する【BRASS】(85.35点)が選ばれた。オリジナル志向の強い現代の若い世代にとって、どんなポイントが満足度を高めたのか見ていきたい。
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調査期間は、2020年3月16日〜27日。過去5年以内に国内にあるウエディングプロデュース会社運営の「ゲストハウス」で挙式・披露宴を行った男性18歳以上、女性16歳以上(男女ともに高校生を除く)の4895人から利用満足度について回答を得たもの。なお、国内で挙式ができる会場のうち、会場を貸し切り、自由度の高いオリジナルウエディングが行える「ゲストハウス」を自社運営する事業者を対象に、25社を調査(複数の会場を保有している場合も利用会場の評価ではなく、すべて運営事業者の評価)。
ランキングを構成する評価項目は13あり(「サロンの利用のしやすさ」「サロンの清潔度・雰囲気」「ウエディングプランナー」「ドレス・衣装」「料理」「装花」「引き出物」「見積りのわかりやすさ」「式場」「式・披露宴」「新婦のメイクの仕上がり」「写真・ビデオの仕上がり」「式場スタッフの対応」)、これらは全43の設問から成り立っている。
2020年 ハウスウエディングランキング 総合TOP10
順位 |
企業名/(得点) |
1位 |
BRASS (85.35点) |
2位 |
FIVESTAR WEDDING (84.36点) |
3位 |
IKK (83.66点) |
4位 |
ブライダルプロデュース (82.71点) |
5位 |
テイクアンドギヴ・ニーズ (82.64点) |
6位 |
Dears Wedding (82.27点) |
7位 |
アニヴェルセル (82.26点) |
8位 |
アルカンシエル (81.83点) |
9位 |
NOVARESE (81.68点) |
10位 |
Plan・Do・See (81.57点) |
11項目で1位のBRASS、とくに満足度が高い「サロンの清潔度・雰囲気」「料理」
2018年から3年連続で総合1位を獲得した【BRASS】は、挙式・披露宴に関する企画運営、婚礼衣裳の販売レンタル、外食、司会、演出業等を手がけ、直営店型ハウスウエディング事業を中心にさまざまなゲストハウスを運営する。その最大の特徴は、【1】完全貸切ゲストハウス、【2】ウエディングプランナー一貫制、【3】オープンキッチン・料理へのこだわり。今回の調査では、13項目中11項目で1位を獲得する圧倒的な支持を受けた。
なかでも、90点に迫る非常に高い満足度を獲得している評価項目が、全項目中の最高点となった「サロンの清潔度・雰囲気」(88.61点)と、それに次ぐ「料理」(88.16点)。どちらも、招待者を心からおもてなしするためのハウスウエディングの要素のなかでも、とくに基本であり大切な項目だ。11項目で1位という評価は、もちろんそれだけではなく、「新婦のメイクの仕上がり」(87.28点)、「写真・ビデオの仕上がり」(85.00点)といった、専門的かつ細やかな対応が求められる部分におけるこだわりも利用者にしっかりと伝わっており、それらが好感を得ていることは疑いようがないだろう。そうした企業の姿勢やポリシーが滲み出ているからこそ、高い満足度につながっていると考えられそうだ。
アンケート調査では、「料理がほかの式場と比べて本当においしかった」(30代女性)などの声から、「スタッフの方が親身になっていろんなアイデアを出してくれた」(30代女性)、「直前でのゲストの変更で、テーブルを1つ増やしていただけた対応力に感謝しています」(30代女性)といったスタッフの臨機応変さや繊細な心遣いへの感謝の言葉が並び、ハードとソフトの総合力が全体的な高評価へとつながっていることをうかがわせる。
また、同社は部門別の年代別ランキングでも「20代」(86.17点)と「30代」(86.14点)で1位。それぞれ86点超えの高い満足度を獲得している。ブラス・代表取締役社長の河合達明氏は「直接雇用というスタイルを貫いて、ゼロから人材を育てていく。うちには結婚式への想いが熱い子たちがたくさんいます」と語っている(2020年4月「ミチタリ」掲載記事より)。その人材へのこだわりが、若いスタッフたちのモチベーションを高め、同世代ならではのオリジナルスタイルのニーズにも柔軟に対応したり、時代を先取りする先鋭的な試みについても積極的に提案を行うなど、企業力を高める結果へと結びついている。それが、20〜30代からの評価として表れていると言えるだろう。
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