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カギは「人間力」に “売上高14位”の住友林業ホームサービス、顧客満足度No.1の舞台裏

担当者は全員女性、採用のポイントは「自分で考え、行動できる人」

 高い顧客満足度を実現するためには、営業担当者だけでなく、全社的に魅力的な人材がいることもポイントだ。その点、人材発掘・育成方法についても、同社ならではのこだわりがある。

住友林業ホームサービス 総務部 兼 営業企画部 主任・辻くる美氏 (C)oricon ME inc.

住友林業ホームサービス 総務部 兼 営業企画部 主任 辻くる美氏 (C)oricon ME inc.

「採用にあたっては、上から指示されたことをやるのではなく、『自分で考え、準備し、行動できる人』であるかどうかに着目しています。また、近年は、バイトと同じ感覚で面接を受ける人が多く見られるので、真剣に会社と向き合い、お客さまのことを考え、何よりも自己成長したいという意欲が強い人であることを重視しています。お客さまは自分の財産となるものを弊社に預けなければなりません。決して軽い仕事ではありませんので、責任感があり、信頼が得られる人でなければいけないと考えています」(総務部 兼 営業企画部 主任・辻くる美氏)

 ちなみに現在、新人採用を担当する辻氏の部署のメンバーは、全員女性なのだそう。採用に関しては、どちらかというと男性社会のイメージが強いが、女性ならではの視点が活きた採用活動も、同社に魅力的な人材が集まる理由の1つと言えるかもしれない。

社内研修や社内報の活用で「スキルを共有」 魅力的な人材を育てるさまざまな取り組み

 人材育成に関しては、新卒者はもちろん、3年目までの若手の営業担当者向けなど、さまざまな研修を用意。さらに、営業担当者向けや全社員向けにいろいろな冊子(社内報)を制作し、スキルアップや情報共有、社員間のコミュニケーションに役立てている。

住友林業ホームサービス 営業企画部 主任 西村友紀子氏 (C)oricon ME inc.

住友林業ホームサービス 営業企画部 主任 西村友紀子氏 (C)oricon ME inc.

「スキルアップの意味では、たとえば、『営企通信』という社内報の最新号では、どうしたら効果的な広告掲載記事を作れるか?というテクニックを紹介しました。また、営企通信は、毎号全社員で情報を共有しています。今年の10月号では、新入社員が今、どんなことを考えているのかをテーマに、難しいと思っていることや悩み、心配ごとも含めて記事化しました。上の人に知ってもらうことでフォローの仕方も変わってくると思いますので。

 営業は十人十色なので、ほかの人の経験を共有できるように年に4回、トップ営業マンや、研修を受けてから営業成績が伸びた方など、さまざまな人に成功例や体験談、学びや気づきなどを語っていただく『仕事の流儀』という冊子も制作しています。」(営業企画部 主任 西村友紀子氏)

毎月発行されている、住友林業ホームサービスの社内報「営企通信」

毎月発行されている、住友林業ホームサービスの社内報「営企通信」。社員たちのスキルアップやコミュニケーションに役立てられている。

社員たちのスキルアップやコミュニケーションに役立てられている。

 この上司と部下のコミュニケーションの良さも、同社の特筆すべき長所だ。今回、話を聞いた社員たちが異口同音に、会社の自慢できるところとして挙げたのが「役員クラスも含め、上司が信頼できるので、気軽に質問や相談ができ、臆することなく自分の意見を言える」ということだった。

「営業が主の会社は、どうしても上の圧力が強い体育会系な風土になりがちですが、お客さまのためになっているかどうかを考えるためには、上も下も関係なく、話しやすい環境が必要です。弊社には培われてきたその風土がありますので、今後も『お客様第一主義』を企業理念に、これまでの取り組みを継続強化していきながら、より高みを目指していきたいと思います」(前出/櫻井社長)

 人を作り上げるのは会社の風土。同社の“人財”を基盤とした体制づくりが、高い顧客満足度につながる良質なサービスを実現しているといえるだろう。

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記事公開:2020年12月11日
(記事内の役職などの情報は、すべて取材時点のものです)