【インタビュー】住友林業ホームサービス 代表取締役社長 櫻井清史氏
不動産仲介において、サービスの質を左右するのは“人財”
社員1人ひとりの「人間力」を磨いていくことで、さらなる高みを目指す
――オリコン顧客満足度ランキングにおいて、「不動産仲介 売却 マンション」と「不動産仲介 購入 マンション」2つのランキングで首位を獲得されました。このような評価を得たことについて、率直なご感想をお聞かせください。
櫻井 エンドユーザーから評価をいただけたことを非常に光栄に思っています。とくに「購入」においては、社長に着任して3年、どれだけ親切、丁寧にお客さまに対応できたか?ということが評価につながる最大のポイントと考え、力を入れて取り組んでまいりましたので、今年初めて「〜購入 マンション」ランキングで1位となったことを非常にうれしく思っています。
「〜売却 マンション」ランキングは2年連続4度目の1位受賞となりますが、弊社の強みであるレスポンスの良さと相談のしやすさ、丁寧さ、どれだけ親身になれるかというポイントが評価されたのではないかと考えます。今後も弊社の理念である「お客様第一主義」のもと、これまでの取り組みを継続強化していきながら、より高みを目指していきたいと思います。
――「お客様第一主義」を実現するために、具体的にはどのような指針を掲げられていますか。
櫻井 「お客さまと感動と満足を分かち合いたい」「お客さまに当たり前を超えたサービスを提供したい」「お客さまの生涯のパートナーであることを目指す」の3点です。週1回の朝礼の際には、毎回唱和し、自分が行っていることがお客様第一主義につながっているか。お客さまの先に利益があるのであって、その逆になってはならない。そのことをきちんと見直すようにしています。
――御社は「経営資源は人」という考えのもと、“人財”を基盤に、個々の人間力を高めることを重視されています。
櫻井 私は「仲介品質」を上げようということを、常日頃から話しています。商品のない仲介業は、人がすべて。品質となるのは、社員1人ひとりです。不動産仲介は、どうしても報酬や営業成績が先に立つ業界ですが、そうではなく、個々が人間力を磨き、お客さまに対することが大切で、それにより評価が得られ、成果がついてくるものと考えています。
人間力の向上をサポートするためには、社内研修に力を入れ、また自身の人事での経験を活かして、社内報を介してのスキル共有なども行うようになりました。
――そのために、具体的にどんな取り組みをされていますか。
櫻井 なんでも話し合える職場環境を重視しています。営業会社はどうしても、上がガツンと指示する体育会系になりがちです。ですが、「お客様第一主義」で考えれば、どんなことでも相談できる環境が必要です。
また、お客さまアンケートはとにかく集めることが目的になりがちですが、お客さまの生の声をしっかりフィードバックできるよう、うれしいお言葉だけでなくお叱りのお言葉も各担当者に伝え、自分自身で気づき、作り上げていくことができるサイクルを大切にしています。
――“人財”の育成に関して、今後の課題と展望をお聞かせください。
櫻井 “人財”に関しては、やらされ感なく、自分たちで経験値や知識、スキルを上げていくことができるような仕掛け、仕組み作りを引き続き、進めていきたいと考えています。
この業界で初めてフレックス制度を採用したり、育児休暇制度や評価制度を変更したりするなど、自社の従業員満足度調査のデータも参考にしながら働き方改革にも取り組んでいますが、今年「GLORY 2020」(※業績優秀者を称える、住友林業ホームサービスの社内表彰制度)で表彰された優秀な営業担当者には、弊社の最年長社員であったり、孫が7人いる女性社員もいます。
“人財”の多様性が高いことも弊社の強みだと思っていますので、今後も良いDNAを継承できるよう、取り組んでいきたいと考えています。
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記事公開:2020年12月11日
(記事内の役職などの情報は、すべて取材時点のものです)