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【テンプレート付き】カスタマージャーニーマップとは?即実践できる作り方

キーワード解説「カスタマージャーニーマップ」

カスタマージャーニーマップは、顧客の行動の「現状」と「理想」を“顧客視点”で考えるのに適したフレームワーク。昨今では、経営者から現場担当者まで、役職を問わず、さまざまな目的で活用されていますが、しっかりとポイントを押さえて作成しないと十分にメリットが得られません。改めて、その役割やマップを作成する際のステップ・ポイントについて解説します。代表的なテンプレートもご用意していますので、ぜひご活用ください。

今回のキーワード カスタマージャーニーマップ
解説 日本能率協会コンサルティング(外部リンク)

カスタマージャーニーマップとは?

地図を見ながら旅を楽しむ人たち

 近年、耳にすることが多くなったカスタマージャーニーマップ。これは顧客の行動を「旅」と捉えて、顧客の実態を把握したり、新しい旅(=行動)を描いたりするために活用されているフレームワークです。

 同じく顧客の行動を表すフレームワークとしては、AIDOMA(アイドマ)が有名ですが、これは顧客に「このようなパターンで行動してほしい」「おおむねこういう行動だろう」などと、枠に当てはめて考えることが前提となっています。もちろん、枠に当てはめて考えるメリットはあるものの、実際の顧客は型にはまる面と、はまらない面があります。また、その時々の場面で何を考えるのか?どう感じるのか?もさまざまであり、より自由で多様な検討ができるフレームワークが求められていました。

 こうした背景から生まれたカスタマージャーニーマップは、顧客の行動や思い(心理・心情)を素直に表し、また、どんな顧客体験(CX)を生み出そうか?というように、顧客の現状と理想の両面を考えるために適したフレームワークなのです。

 昨今では、おそらくカスタマージャーニーマップを考えたり、作ったりしたことがない企業というのは、ほとんどないと考えます。企業の規模や事業の新旧を問わず、現状の問題発見や新サービス・ビジネスの検討、製品のPRのために顧客の利用場面を描いたり、新入社員に自社の仕事を説明する際に用いられたり、さまざまな目的で経営者から現場担当者まで、役職問わず使われるフレームワークになりました。

カスタマージャーニーマップの役割とメリット

手でGoodポーズをする人たち

 このカスタマージャーニーマップを作成することには、主に以下のようなメリットが考えられます。

主なメリット
(1)顧客の行動や思いを関係者全員で共有できる
(2)顧客の行動や思いの「現状」と「理想」の差が見えやすい
(3)粗い検討から細かい実務的な検討にまで使える

(1)顧客の行動や思いを関係者全員で共有できる

 企業は分業・分担で成り立っています。1人ひとりの担当業務が守備範囲だとも言えます。しかし、顧客はあくまで1人です。顧客が生活者であれ、ビジネスパーソンであれ、顧客はさまざまな場面でさまざまな部署や人、設備に接し、それらすべてが顧客としての体験となります。

 カスタマージャーニーマップは、顧客の行動や思いを見える形にすることで、業務に携わる関係者全員が自分の守備範囲以外の部分も見渡し、顧客視点で考えることを促すメリットがあります。

 たとえば、顧客が企業に問い合わせの電話をかけた際に、「受付」→「担当部署」→「本人不在」→「代理の担当者」→「折り返しの連絡を待つ」といった対応を受けることがあります。これ自体は悪いことではありませんが、ともすれば顧客が自身の目的のために全体を見ているのに対し、企業側は自分の業務だけを考えている、といったズレが生じます。カスタマージャーニーマップは顧客軸で描かれるため、関係者全員に顧客視点での認識を促すことが期待できます。

(2)顧客の行動や思いの「現状」と「理想」の差が見えやすい

 後で触れますが、現状のカスタマージャーニーマップを整理することも注意が必要ですし、なかなか手間もかかります。しかし、カスタマージャーニーマップの目的は、現状を踏まえて理想を描く、ということです。同じフレームワークで現状と理想を描くことで、「差」が明確に認識できます。自分の担当業務について改善したことによって、顧客の行動に影響や変化があっただろうか――そういった検討をしやすいのが、カスタマージャーニーマップのメリットなのです。

 この意味で、カスタマージャーニーマップを「作っただけ」で、現状をつぶさに整理して満足しているケースがありますが、それでは本来のメリットの半分しか得ていないのです。

(3)粗い検討から細かい実務的な検討にまで使える

 これはカスタマージャーニーマップを使う目的にもよりますが、カスタマージャーニーマップは「粗く」も「細かく」も作ることができます。粗さ・細かさを考える主な視点は下記の通りです。

●時間軸や場面
 顧客の行動を広く捉えるか、行動のある場面に焦点を当てるか

●対象顧客
 おおまかに顧客を分けるか、詳細なペルソナを置いて考えるか

●顧客体験の具体性
 顧客と自社との接点における体験について、自社の業務まで含めてどこまで具体的に描くか

カスタマージャーニーマップの構成要素

分析している人

 実務のなかで、カスタマージャーニーマップはどのように作られるのでしょうか。その構成要素について、一般的なカスタマージャーニーマップのフレームワークをもとに紹介しましょう。

 近年、ふるさと納税をする方も多いと思いますが、今回はふるさと納税により確定申告が必要になった、ある共働き家庭のカスタマージャーニーマップを例に、構成要素を紹介していきます。

(1)ペルソナ(対象顧客)

 カスタマージャーニー(顧客の旅)ですから、どのような顧客か?を設定して描く必要があります。「まずは粗く発想してみたい」ということであれば、単に「顧客」としても構いませんが、意味あるマップを描くためにはペルソナをしっかり描くほうが良いでしょう。

(2)顧客の目的・場面(顧客のステージ/利用前・中・後)

 このマップ例では、区の窓口に「相談をする」ことにフォーカスして、それをさらに個々の場面に分けて設定しています(「相談窓口を調べる」→「つながらない」→「相談する」→「書類を書く」→「相談する」)。作成の目的によりますが、これをもっと概略的にするケースもあります。この確定申告の例で言えば、「必要な書類を準備する」→「申告書を作成する」→「税務署に持参し提出」→「結果を受け取る」などです。目的に応じて場面設定の単位や粗さを変えてトライしましょう。

(3)顧客の行動と思い

 この顧客(ペルソナ)が、それぞれの場面でどのように振る舞い、何を感じるかを表します。このマップ例では、顧客のセリフや心の中の声として表現していますが、これも目的により工夫できます。感情の変化を「→」や「顔文字」などで表すこともよく取り入れられています。

(4)気付き

 インサイト・洞察とも言われますが、企業サイドとして何に気付き、理解したかを整理する要素です。すでに知っていることの確認かもしれませんし、新しい発見があるかもしれません。いずれにしても、「気付き」が得られないカスタマージャーニーマップは失敗作と言えるでしょう。手法が悪いのではなく、取り組み方が間違っているのだと考えて、改めてトライしてみましょう。

 では、これらの構成要素を踏まえたうえで、実際にマップ作りに移っていきましょう。

6ステップで即実践!カスタマージャーニーマップの作り方とポイント

カスタマージャーニーマップ作成に挑戦しようとしている人たち

 今回は、先ほどご紹介した確定申告の相談例をもとに、カスタマージャーニーマップの作り方のステップとポイントを解説していきたいと思います。

カスタマージャーニーマップ作成の6ステップ
(1)目的とゴールを決める
(2)ペルソナ(対象顧客)を設定する
(3)顧客に共感する
(4)フレームワークを設計する
(5)顧客への共感をもとに記入する
(6)各顧客のステージにおけるKPIを設定する

(1)目的とゴールを決める

 カスタマージャーニーマップ作りがうまくいかない場合、目的が曖昧だったということが意外にあるものです。「カスタマージャーニーマップを作ることは大事だ」という認識ばかりが先走ると、なんのために作成するのかを明確にしないまま作成してしまうことがあります。たとえば、コールセンターの部署で取り組む際にも、さまざまな目的が考えられます。

●顧客の全体の「旅=行動」から見て、自部署でのお客さま対応のあり方を見直したい
●コールセンターの役割を再定義したいので、顧客の「旅=行動」全体のなかでコールセンター以外の接点も含めて再構築したい
●最近増えてきた、外国人顧客向けの対応を整備したい

 など、実にさまざまです。ここでは、確定申告のケースをもとに、マップを作成する目的を「確定申告の手続きが不慣れな方のご相談への対応のレベルアップ」として考えていきましょう。

(2)ペルソナ(対象顧客)を設定する

 マップを作る目的が「確定申告の手続きが不慣れな方のご相談への対応のレベルアップ」ですから、ペルソナ(対象顧客)も「手続きが不慣れな方」で良いでしょうか。改めて、先ほどの確定申告のマップ例を見てみましょう(マップを再掲)。仮にペルソナの欄に「手続きが不慣れな方」と置いた場合に、例に書かれているような「顧客の行動と思い」が得られるでしょうか――。ペルソナは、具体的であればあるほど、その行動と思いも具体化し、気付きも焦点が定まってきます。

 しかし、一方で細かくすればするほど、「些末な点にとらわれすぎる」という懸念も出てきます。そのため、目的に応じてペルソナ設定の具体性を調整する必要があるのです。確定申告のマップ例では、「最近、確定申告をする人のなかで、どういった人が不慣れであるか」を念頭にペルソナ設定(40代会社員の女性、既婚、夫婦共働きで2人とも週3日程度在宅ワーク。子ども2人あり都内の賃貸マンションで暮らす)をしています。目的を果たすために代表的・象徴的なペルソナを設定することで、検討がシャープになるでしょう。

(3)顧客に共感する

 続いて、設定したペルソナについて、どういった場面でどのように行動し、どう考えるのか?を調べる必要があります。調べるというと、ウェブ等での市場調査やインタビューなどが代表的ですが、ウェブ検索をするとして、単純に「確定申告」「不慣れ」で検索すれば良いでしょうか。

 今回は、「最近、確定申告をする人のなかで、どういった人が不慣れであるか」を念頭にペルソナ設定をしているため、単に「確定申告に不慣れな方」ではなく、「最近、利用が増えてきたふるさと納税で確定申告デビューした方」というように、調べる範囲を限定する必要があるかもしれません。既存の情報を探す際にも「誰の」という視点が必要不可欠です。

 また、顧客に共感するには「調べる」だけでなく、実際に「体験してみる」ことも重要です。BtoBのサービスなどはなかなか体験することができませんが、BtoCのサービスであれば、実際に自社の対応を体験することができますし、類似の他社サービスなども体験可能です。確定申告のケースで言えば、まったく別の場面でご自身が企業に問い合わせをした体験を思い出してみることも有効です。「電話で相談する」という共通点があれば、どのような相談でも自分の体験がヒントになるかもしれません。

 そのほかにも顧客に共感する、顧客洞察を深める方法はたくさんあります。ぜひ、以下の図を参考にしてください。

(4)フレームワークを設計する

 カスタマージャーニーマップを作成していくには、フレームワーク・フォーマットが必要です。ここで問題です。これまで「目的とゴールを決める」→「ペルソナ(対象顧客)の設定」→「顧客への共感」→「フレームワークの設計」の順に工程を解説してきましたが、それはなぜでしょうか。答えは、フレームワークは「書いていく」という特性上「危険がある」からです。

 フレームワークは大抵の場合、経験から導かれた項目が設定され、思考を助けてくれます。しかし、「項目に書かれていないこと」や「フレームワークが表現として求めていないこと」は考えなくなる危険もあるのです。

 先にフレームワークを用意すると、俗に言う「埋める作業」が始まってしまいかねません。カスタマージャーニーマップの醍醐味である顧客にフォーカスすることを損ねないよう、まずは目的、そして顧客への共感を踏まえて「我々は何を整理すべきか」を考えながらフレームワークを設計しましょう。

 とはいえ、確定申告のマップ例で使ったフレームワークなど、一般的なものはいろいろ紹介されています。まずは、これらを参考に設計してみても良いでしょう。

この記事の筆者・日本能率協会コンサルティング作成
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 ポイントとしては、必ず「ペルソナ」を設けること。また、「顧客の目的・場面」といったわかりやすい項目(表記)にすることも大切です。フェーズやステップなどと表現すると、何を指しているのか、人により解釈が分かれがちです。フェーズではなく「顧客の目的・場面=顧客にとって意味ある場面の区切り」というように、何を表すのかを明確にすることが大事なのです。

 このほか、自社の対応のあり方を併せて考える場合は、自社の接点(タッチポイント)である人、設備、システム等や担当部署などを入れる項目があっても良いでしょう。そのうえで、「何に気付いたか」については必ず入れましょう。整理して終わりではなく、顧客のために何か気付きを得ることがカスタマージャーニーマップの最大の目的であり、「気付き」がないマップは意味がありません。

(5)顧客への共感をもとに記入する

 あとはフレームワークの各項目について、顧客への共感をもとに中身を入れていきましょう。「書き込む」というと、普段考えていることや、なんらかの正解を記入するイメージがありますが、マップの作成は試行錯誤の連続です。言い換えれば、試行錯誤が非常に重要だとも言えます。

 顧客軸、すなわち「他人の行動と思い」を考えるアプローチですから、自分の思い込みや決めつけなどに縛られていては顧客の実際に迫ることはできません。また、マップ作成の目的が新サービスや新規事業開発の場合は、まさに「存在しないもの」についての「行動と思い」を考えるワークになります。

 こういった「他者」の視点で柔軟に発想するワークについては、共通のポイントがあります。

●1人で考えない
 まずは、1人で考えないことです。複数人で考えるほうが幅が拡がり、互いに触発されて良い思考が生まれます。ただし、最初からみんなで考える必要はありません。まずは各自が1人で考える。そして、それを持ち寄る。そうすることで、議論に流されることを防ぎながら多面的な気付きを引き出せるチャンスが拡がります。

●アイデアをすぐ形にする
 また、「ふせん」などを活用し思い浮かんだことはすぐ文字にするなど、知的ワークの基本は守りましょう(昨今、レゴ(R)ブロックなどを活用したタンジブル(=実態がある)な方法も普及していますが、カタチにするという点は共通です)。

●初めからパソコンでマップを作成しない
 そして、決して初めからパソコンでマップを作らないようにしましょう。ふせんを貼ったり、フリーハンドで図を書いたり、絵を描いたり、発想を妨げない工夫を凝らしましょう。

ふせんを活用して、ミーティング参加メンバーの考えやアイデアを集めていくのもGood

ふせんを活用して、ミーティング参加メンバーの考えやアイデアを集めていくのもGood

(6)各顧客のステージにおけるKPIを設定する

 カスタマージャーニーマップの基本的な要素と作成上の留意点は以上の通りですが、目的によってはKPI(重要業績評価指標)の欄を設ける場合もあります。顧客に提供したい体験がなんらかの数値で測れる場合は、顧客への約束という意味合いも込めて、業務上の指標を設定し、それを記載することも良いでしょう。

 たとえば、確定申告の例で言えば「○分以内の対応率○%」や「1回のお問い合わせでも問題解決率100%」などが想定されます。自社の顧客について何か数値目標を入れる必要がある場合は、フレームワークに追加しましょう。

カスタマージャーニーマップ完成後に行うべきアクション

 さて、「完成」したカスタマージャーニーマップを、具体的にどのように活用していくべきなのか。これはまさに目的次第です。

 確定申告の例で言えば、電話対応する担当者に「お客さまが電話してきておられる環境はこういうことかもしれない」だから「もっと対応の仕方を見直そう」と働きかけることも良いでしょう。また、そもそも電話のつながりやすさ向上の優先順位を高める必要もあるかもしれません。

 確定申告のマップ例からは、「昨今、共働きと在宅ワークが増えたことで、電話での問い合わせが以前よりは自由にできなくなっている」という状況が見えてきます。電話のつながりやすさはこれまでもコールセンターの課題だったとしても、ますます重要性が増していくのだから今こそ対策を打とう、といった活用も考えられます。

 こういった活用方法について詳しくは、連載コラム「CS推進 一年生(カスタマージャーニーマップ編)」で紹介していますのでご覧になってみて下さい。

カスタマージャーニーマップを活用した事例(航空会社/クラブメッド)

挑戦している人たち

 このカスタマージャーニーマップが活用された結果は、私たちの身の回りでも見受けられ、体験できるものが多いです。

事例1:ある航空会社のケース

 たとえば、ある航空会社の飛行機内での「手持ち無沙汰解消」などが良い例です。以前は機内で新聞などが提供され、飛行中の手持ち無沙汰解消に役立っていました。しかし、数年前から新聞等の提供を廃止、それにより不満も多かったと聞いています。では、現在はどうでしょう。新聞の提供は引き続きなされていませんが、マップでいう「新聞がなくて退屈だなぁ」という状態のまま不満も続いているでしょうか。実際は、ほぼ解消されたのではないでしょうか。

 機内Wi-Fiを導入したことにより、乗客は自身のスマホで思い思いのアプリやコンテンツを利用し、手持ち無沙汰になることはなくなったのです。飛行機内で仕事をするビジネスパーソンにとっても便利な話です。一度は低下した感情が、Wi-Fi導入でより高い満足が得られた訳です。カスタマージャーニーマップの良いところは、感情面が低下しているなら、どう持ち上げるか? そういった検討に使える点です。

 この機内Wi-Fiのように、不満を解消し満足に転じるためにマップを利用する例ではなく、「どのようなカスタマージャーニーマップを提供したいか?」をデザインするために活用した例もあります。

事例2:クラブメッドのケース

 みなさんは、クラブメッドという旅行商品はご存じでしょうか。ユニークなサービスで全世界に拡がっているリゾート宿泊施設です。クラブメッドのユニークな点は、到着するとお部屋に案内する前に、ひと通り施設内を実際に歩いて案内し、利用方法の説明や利用場面を見てもらうことです。これを聞いて「え!部屋に案内してくれないの?」とお思いでしょうか。私も最初に利用した時は、「おいおい、長旅で疲れているんだから、早く部屋に案内してくれよ」と思ったものです。

 しかし、クラブメッドはリゾートホテルの中に、プールなど一般的な施設だけでなく、小劇場やちょっと馴染みのないスポーツフィールド(フランス発祥の球技・ペタンクなど)があったり、空中サーカスの体験施設などもあったり。食事も世界各国出身のスタッフと一緒にとることができるなど、極めてユニークなホテルだと言えます。

 カスタマージャーニーマップをもとに、こういったユニークな施設をあえて到着時に案内することで、「私たちのリゾートではこのような旅を提案しているのです」と明確に伝えているのでしょう。典型的ではないリゾートだからこそ、ここでの旅(=行動)を具体的にイメージしてもらい、結果としての旅(=行動)もより良いものにしてほしいからでしょう。

 カスタマージャーニーマップはこのように、さまざまな使い方があり、顧客と企業の良い関係づくりに貢献しているのです 。

ポイントを意識しながら、まずはトライしてみることが大切

 さて、現状と理想の両面を考えるのに適したカスタマージャーニーマップについて、理解が深まったでしょうか。前述したように、マップの作成は試行錯誤の連続であり、それが非常に重要だとも言えます。あくまでも顧客軸。そして、作成する前に顧客を深く理解し共感することで気付きが大きくなる。そういったポイントに着目して、ぜひ貴社でも、ご自身でトライしてみていただきたいと考えます。

テンプレート活用で「カスタマージャーニーマップ」を作成!
 この記事の筆者・日本能率協会コンサルティングが作成した、カスタマージャーニーマップのフレームワーク例を以下のバナーリンクから、無料でダウンロードいただけます。登録などは一切不要です。

<このテンプレートのポイント>
●検討にあたっての視点や構造をフォーマットとして例示したものです。
●図解や文章での書き込みなど、方法はさまざまですので自由度の高いフォーマットです。