コラム

コミュニケーションを通してお客さまを知る!顧客の声・評価の収集方法と使い分け【CS推進 一年生 #4】

CS(顧客満足)推進のプロセス・考え方をイチから解説する連載コラム「CS推進 一年生」。40年にわたり日本産業の成長を支援する総合コンサルティングファーム・日本能率協会コンサルティングに在籍するコンサルタントが、全15回にわたって顧客満足向上に向けた基礎を紹介します。“CS初心者=一年生”はもちろん、「改めてベースから振り返ろう」という方にも適していますので、ぜひご活用ください!
>連載「CS推進 一年生」記事まとめ

第4回目のテーマ
顧客の声・評価の収集方法と使い分け
講師
日本能率協会コンサルティング(外部リンク)

1.顧客の声や評価が、CS取り組みの起点

 第4回目のテーマは、「顧客の声・評価の収集方法と使い分け」です。CS(顧客満足)に取り組む起点となることは大きく2つあります。1つは「自社の目指す姿」、もう1つは「ターゲット顧客の声や評価」です。CSの取り組みでは、お客さまの声や評価を参考にして、目標水準の設定、改善テーマの設定、施策のヒント、成果の確認といったさまざまなことを確認していきます。さらに上位の視点で考えれば、お客さまの声や評価の収集は、企業とお客さまとの重要なコミュニケーションと考えることができます。コミュニケーションという視点で見たときのお客さまの声や評価の収集方法について、それぞれの特長と使い分けのポイントを見てみましょう。

2.お客さまの声や評価の収集方法

 お客さまの声や評価を、以下の2つの視点で分類して整理してみましょう(図1参照)。

(視点1)収集姿勢 … 能動的か受動的か
(視点2)収集内容 … 広く浅い内容か、絞り込んだ深い内容か

お客さまの声や評価の収集方法

(1)コールセンター:電話がかかってくるのを待つという意味では受け身ですが、そこでインタビューできれば聞きたいことを聞くことができます。

(2)インタビュー・モニター調査:こちらの聞きたいことを能動的に聞いていきます。

(3)顧客接点部門による声・評価収集:
能動・受動、広くも深くも可能なので中央に配置しました。

(4)Webサイトへの書き込み・お客さまの声カード:お客さまの発信におまかせして、幅広い声や評価を受け付けることになります。

(5)CSアンケート調査:一定期間で能動的に実施するものと常時待ち受け型で実施するものがあり、幅広い声や評価が収集されます。

 これらは、どれが良い・悪いというものではなくそれぞれに特長があるので、目的に応じて使い分けましょう。

3.収集方法の特長と使い分け

 それぞれの特長と使い分けについては、以下の表を参考にしてください。

収集方法と特長

使い方

コールセンター(インタビュー)

特長
受電自体は受け身だが、インタビューができれば深い内容が収集できる。

●一定期間、自社の製品やサービスをご利用いただく。

●体験結果の評価やコメントをより深く収集したい場合に向いている。

インタビュー

特長
こちらの聞きたいことを中心に、深くお客さまの声を収集できる。

●個人やグループを対象に行う。

●聞きたいテーマや検証したい仮説があり、それを量的にではなく質的に確認したい場合に向いている。

モニター調査

特長
一定期間、継続的な調査ができる

●一定期間、自社の製品やサービスをご利用いただく。

●体験結果の評価やコメントをより深く収集したい場合に向いている。

顧客接点部門による声収集

特長
お客さまからのご意見・ご要望だけでなく、テーマ設定した声収集や好事例収集が可能である。

●顧客接点部門が声を収集する。

●お客さまのご意見やご要望を、幅広く収集したい場合に向いている。

●社員が代弁者となることで、質の良い情報を得やすい。

Webサイト・お客さまの声カード

特長
お客さまの声を広く受け付けることができ、お客さまは気がついた時にいつでも発信することができる。

●掲示板やご意見箱を設置する。

●お客さまの気づき、ご意見・ご要望を幅広く収集したい場合に向いている。

CSアンケート調査

特長
調査したい内容について、短期間に広くお客さま声や評価を収集することが容易である。

●Webや紙、電話などでアンケート調査を行う。

●製品やサービスの利用体験について、量的に評価を確認したい場合に向いている(コメントも取ることができる)。

4.問われる企業姿勢

 お客さまの声や評価を収集する仕組みづくりや活動は、それほど難しいことでありません。重要なことは、お客さまの声や評価の収集を通じて伝える「企業姿勢」です。

 たとえば、みなさんが以下のような体験をしたら、どのように感じるでしょうか?

●飲食店を利用したら、テーブルの上にアンケート用紙があったが、ほこりやソースが付いていて、筆記具もない。

●ご意見・ご要望をよく求められるが、「こういう改善をした」というメッセージを受け取ったことがない。

 こういった体験から、「この企業に声や評価を伝えてもムダか…」と感じるのではないでしょうか。このような状況では、声や評価の仕組みを作り、収集活動をしても集まってこない可能性があります。「この企業に声を発したら取り上げて検討してくれるのではないか」という期待醸成が必要です。

 そのためには、双方向のコミュニケーションだという意識を持ち、改善や活用結果を発信するといったアクションをとりましょう。たとえば、アンケートの最初に「前回のアンケート結果からの改善実施事項」が記載されていたらどうでしょうか。回答してみよう、という気持ちになる人が増えることが期待できます。

 お客さまを知る方法は、ミステリーショッパー(顧客として覆面体験調査をする)やエスノグラフィー(顧客の生活や行動を観察する)など、さまざまあります。しかし、今回ご紹介したようなコミュニケーションを伴うものは、双方向にすることがポイントです。

※第5回目は、11月13日掲載予定です!

日本能率協会コンサルティングについて
 日本能率協会コンサルティングは、1942年に設立された社団法人 日本能率協会の中核として70年以上、企業が抱えるさまざまな課題解決の実行支援を行っている。1991年には日本で初めて「CS経営」を提唱、数百社以上のCS向上支援を行っている。現場主義のコンサルティングスタイルであり、一過性の流行に流されない真の顧客起点での課題立案・対策推進を支援している。
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